最近カップ麺のCMでかわいい狐のお嬢さんが出てくるのがありますがその話ではありません😃😃
皆さんは『ごん狐』という童話をご存知でしょうか?
私も、いつどこで読んだのか定かではありませんがうっすらと絵本の記憶があります。
もう一つ『手袋を買いに』という絵本の記憶もあります。
あらすじ
雪の朝、表を走り回って帰ってきた子狐の冷え切った手を握りながら、母さん狐は手袋を買ってやろうと思いついた。
夜になって町に出かける途中で、母さん狐は子狐の片手を握って人間の子供の手に変えた。
そして子狐に、町の帽子屋へ行って戸を少しだけ開けたら、人間の方の手を出して「手袋をください」と言うように、と教えた。
間違って狐の手を出してしまうとひどい目に遭うからと。
子狐は町に着くと帽子屋を見つけ戸を叩いた。
帽子屋が戸を開けた拍子に差し込んだ光がまぶしくて、子狐はつい狐の方の手を出して、「手袋をください」と言ってしまった。
帽子屋は、狐だなと思ったけれども出されたお金が本物であることを確認すると黙って手袋を渡してやった。
帰り道、家の中から聞こえる子守歌を聴きながら帰った子狐は母さん狐に「人間ってちっとも恐かない」と、間違った手を出したけれど帽子屋は手袋を売ってくれたことを話した。
母さん狐はあきれながら、
「ほんとうに人間はいいものかしら」とつぶやいて物語は終わる。
なんとも深い余韻で考えさせる終わり方です。
私の小さい頃の教科書にあったのか?
子供達が小さい時に読んであげたのか、それとも保育園などに絵本としてあったのか今となっては正確には分かりません。
正直私はこの2つ位しか記憶がありませんが・・・
作者は新海南吉(にいみ なんきち、1913年7月30日 - 1943年3月22日)です。
ご覧の通り30歳に満たない短い生涯でした。
彼は結核で命を落とします。
今愛知県半田市の新海南吉記念館では
が開催されています。
私もずいぶん前にこの記念館を訪れたことがあります。
愛知県に行かれたらぜひ立ち会っていただきたいと思います。
当時結核は不治の病と言われました。
文学者で言えば
石川啄木、森鴎外、正岡子規、国木田独歩、二葉亭四迷、樋口一葉、堀辰雄
などが結核で命を落としています。
しかし彼らの文学活動は、病と闘いながらまるで火の粉が飛び散るようにその輝きを増していきます。
新海南吉も結核に罹患してからも積極的に文学活動をおこないます。
命をかけて童話を書き続けます。
上の2つの童話に限って言えば、何とも言えぬ心と心のすれ違いはありながらもそれぞれ暖かい思いやりを感じます。
人間とは浅ましいくも哀しく、しかし本当のところ心の片隅にあったかいものをなくさずにいることができるんだよ
というような励ましにも受け取れます。
でもどこか不安定で寂しいのです。
大人になって読み返すと本当に深い感動を覚えます。
ときにはもう一度童話や絵本をもう一度開いてみてはいかがでしょうか。
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