近頃感染者数は減少してきましたが、コロナ感染後遺症もずいぶん気になります。
先日新型コロナの後遺症に関する新たな調査結果が示されました。
国立国際医療研究センターなどは2020年2月以降、新型コロナから回復した人のうち20代から70代の457人について、その後の症状を聞き取って分析しました。
その結果、半年後でも26.3%の人に何らかの症状があり、さらに発症から1年がたっても8.8%の人に症状があったことがわかりました。
後遺症の症状 どれくらい続くのか?
後遺症とみられる症状は一体どれくらい続くのか、症状別の調査結果です。
1. 嗅覚の異常
半年後7.7%・1年後1.1%
嗅覚の異常があった人は
▽発症から100日ほどたった時点で10%余り
▽半年たった時点で7.7%
▽およそ200日たっても5%余りで▽1年後では1.1%でした。
2. 味覚の異常
半年後3.5%・1年後0.4%
味覚の異常があった人は
▽発症から100日ほどたった時点でおよそ5%
▽半年たった時点で3.5%
▽1年後では0.4%でした。
3. けん怠感
半年後6.6%・1年後3.1%
けん怠感は
▽発症直後は半数ほどの人でみられましたがその後、減っていき
▽100日ほどたった時点ではおよそ10%
▽半年たった時点で6.6%
▽1年後でも3.1%でみられました。
4. 息切れ
半年後3.9%・1年後1.5%
息切れは
▽発症から1か月以内は20%ほどの人でみられ▽100日ほどたった時点では5%程度
▽半年たった時点では3.9%
▽1年後では1.5%の人でみられました。
5. 脱毛
半年後3.1%・1年後0.4%
脱毛は発症の直後はあまり見られず遅れて起きる傾向があり
▽発症から数か月の段階で10%ほどの人に起きていて
▽100日たった時点では8%前後▽半年たった時点で3.1%
▽1年後には0.4%でした。
6. 記憶力・集中力の低下 うつの症状も
物忘れなど記憶力の低下があったという人は
▽半年後で11.4%
▽1年後に5.5%集中力の低下がみられたという人は半年後では9.8%
▽1年後で4.8%うつの症状がみられたという人は、半年後では8.1%、1年後で3.3%となっていました。
このほか研究グループは、新型コロナウイルスに感染し症状が出た時に抗ウイルス薬やステロイド剤などの治療を受けたことと症状が続くことに関連があるか調べましたが、明らかな関連は見られなかったということです。
研究グループは後遺症とみられる症状が出るのを防ぐためにも、感染しないようにする対策やワクチンの接種が重要だとしています。
男女別では… 女性の方が嗅覚異常などの症状出やすい
男女別の調査結果です。
▽女性は嗅覚の異常が男性のおよそ1.9倍
▽味覚の異常がおよそ1.6倍
▽けん怠感がおよそ2倍
▽脱毛がおよそ3倍出やすかったということです。
さらに、若く、やせている人の方が味覚や嗅覚の異常が出やすく、新型コロナの症状が軽症でも後遺症とみられる症状が長引くケースがあるとしています。
最近は後遺症外来を専門にする病院や医師も増えてきました。
何とか治療が成功したとして、後遺症を考えただけでも大変な病気です。
とにかく油断せず今まで通りの感染対策をとっていく必要がありますね。