ナイチンゲールという名前は誰もがどこかで聞いたことがありますよね。
フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale、1820年5月12日 - 1910年8月13日)は、イギリスの看護婦、社会起業家、統計学者、看護教育学者。近代看護教育の母。「光掲げる貴婦人」、「クリミアの天使」と称されており、病院建築でも非凡な才能を発揮した。クリミア戦争での敵・味方の分け隔てない負傷兵たちへの献身や統計に基づく医療衛生改革で著名[1]。国際看護師の日(5月12日)は彼女の誕生日である。
10月1日ですが看護学校の記事が地元紙に載っていました。
昔は戴帽式と言って、ナースキャップをこの場で初めて頭に着けるというセレモニーでもありました。
ナイチンゲールの像の灯をから、戴帽生一人一人に灯してまわる実に厳かな式典です。
時代は変わり、ナースキャップが衛生的でない、または点滴などの管を引っ掛ける等の問題があり現在はほとんど使用されていません。
その式典でナイチンゲール聖詞をみんなで読み上げたのです。
今でもやっているかどうかは分かりませんが。
『ナイチンゲール誓詞』
われはここに集いたる人々の前に厳(おごそ)かに神に誓わんーーー
わが生涯を清く過ごし、わが任務(つとめ)を忠実に尽くさんことを。
われはすべて毒あるもの、害あるものを絶(た)ち、
悪しき薬を用いることなく、また知りつつこれをすすめざるべし。
われはわが力の限りわが任務の標準(しるし)を高くせんことを努(つと)むべし。
わが任務にあたりて、取り扱える人々の私事(しじ)のすべて、
わが知り得たる一家の内事(ないじ)のすべて、われは人に洩(も)らさざるべし。
われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸のために身を捧(ささ)げん。
と、このようなものなのですが、ここにも「ヒポクラテスの誓い」の影響が如実に表れています。
ナイチンゲールの「看護覚書」という本もあります。
私も病院勤務時代読んだのですが、かなり分厚い本になります。
ナイチンゲールの『看護覚え書』は13の項目からなっています。
項目だけ書き出しますと
1.換気と保温
2.住居の健康
3.小管理
4.物音
5.変化
6.食事
7.食物の選択
8.ベッドと寝具類
9.陽光
10.部屋と壁の清潔
11.からだの清潔
12.おせっかいな励ましと忠告
13.病人の観察
それまで看護という概念自体が希薄で、経験に基づいた手助けだったり非科学的な行為を行っていたりしたものを、きちんと科学的にまとめ上げたものです。
今読んでも充分参考になるものです。
日本でも昔から「医は仁術」という表現があります。
意味は
医療というものは、病気を治すためのものではなく、人を思いやることが大切であるということです。
つまり病だけでなくその患者さんを人として思いやりながら治療や看護をするということでしょう。
「医」とは、「医療」を意味し、「仁」とは、「思いやり」の意味になります。
「術」とは、「能力」とか「職業」のことです。
もちろん現在でもこのような高い倫理観で一生懸命働いておられる医師及びたくさんの医療従事者がおられます。
一方で「医は算術」もしくは「医は錬金術」と思われるような事件や出来事も絶えません。
ヒポクラテスやナイチンゲールがもし今生きていればこんな現象をどう思うでしょうね。