バスやトラックを中心とした軽油を燃料として走るディーゼルエンジン車、ガソリンよりも安価で燃費効率もよくパワーもあります。
昔から産業用では非常に重宝されてきました。
一方でディーゼルエンジン車は排気ガスから窒素酸化物(Nox)という大気汚染物質を排出してしまい、世界的に厳しく規制される動きが加速しています。
日本でも同様でディーゼルエンジン車の排気ガスをクリーンな状態で排出させるために『尿素SCRシステム』が採用されています。
簡単に原理を説明しますと有害な窒素酸化物をアンモニアで化学反応をさせて無害な水と窒素に分解して排出するというシステムです。
韓国で貨物用ディーゼル車の走行に必要な尿素水の供給が急減し、年内にも物流や公共交通機関が全面停止する危機を迎えています。
原料の主要調達先だった中国が先月以降、輸出を事実上制限したためです。
米国とともに対中強硬姿勢を示すオーストラリアに中国が反発、豪州産石炭の輸入を止めたことが背景にあります。
「あと10日ほどで尿素水の生産が全面中断する。月末までには供給が滞り、12月中旬以降は物流がマヒする」
国民大のクォン・ヨンジュ教授は8日、韓国メディアを通じ、韓国国内の産業全体が年内に停止するとの見通しを示しました。
韓国国内の車両約200万台は、一定の走行距離ごとに尿素水を充塡(じゅうてん)しなければ、走行を停止する装置が取り付けられているようです。
主要公共交通である路線バスも、5万台のうち約2万台が対象になるといいます。
でもご安心ください!原料の尿素を日本は国内生産をしています。
いま韓国国内の給油所は貨物車が長蛇の列を作り、オンラインでは従来の10倍超の価格で取引されているようです。
「経済安全保障」という言葉があります。
経済のグローバル化が進み、産業分野も国際的に細分化が進んでいます。
自国で生産しないで海外のコスト安の製品の輸入に頼っていると韓国のような事態が日本でも起こりえます。
例えば生きていくことに欠かせない食料。
日本の農林水産省はカロリーベースで自給率を何とか45%にしたいとの目標持っていますが、実際はこのグラフの通りです。
何らかの理由で輸出国が日本への輸出をやめれば、すぐに食糧危機が起こる状態です。
外国の食糧自給率を見てみましょう。
このグラフのようにカナダ264%、オーストラリア223%、アメリカ130%、フランス127%、ドイツ95%、イギリス63%、イタリア60%、スイス50% となっており、我が国の食料自給率(カロリーベース)は先進国の中で最低の水準となっています。
少し心配になってきませんか?
何も起こっていないときにこそ対策を考えておく必要があると思います。
そしてこれはやっぱり政治の責任が第一だと思いますね。