音楽を聴く方法にはCDやYouTubeなど様々な方法があります。
でもこれでは満足できず、やはり
ライブ会場に行ってみたい!
となりますね。
コロナ禍になって、様々な舞台芸術や音楽活動も開かれなくなってしまいました。
最近ようやく改善の兆しが見られていますが。
ではどうしてライブがないと寂しいのか?
会場に集まったオーディエンスが盛り上がり一体感を持ってそれこそライブ自体を全員で作り上げるのは素晴らしいことです。
人間がそもそも持っている「群れる」という心理的側面の充実も確かにあります。
ではCDだけを聞いているとなにか物足りないのはなぜでしょう?
CDが最初にできてきた頃、技術者は超音波の部分をそぎ落としました。
超音波や高周波も演奏には出ていますが人の耳には聞こえません。
それで可聴範囲だけにしてCDを出したところプロからは「物足りない」という評価が生まれました。
そして先日解剖学者の養老孟司さんの本を読んでいて気が付きました。
どうやら私たちも耳だけで音を聞いているのではなさそうです。
養老先生は昆虫研究でも大変有名ですが、彼に言わせると虫には耳がない代わり、体のいろいろな部分で音を聞いているそうです。
ではどうやって音を聞くのか?
固有振動によって音と同じ波動数を持つ体の部分が共振することによって感じているらしいのです。
羽や毛や触覚やあらゆる部分がその対象です。
私たち人間の場合、音の振動は耳の中の小さな骨を伝わって内耳に伝わります。
また一方で骨伝導という音の伝わり方があります。
例えば音叉を動かして頭のてっぺんに立てるとその振動は頭蓋骨を伝わって直接内耳に届きます。
確かにポ~~ンと音を感じます。
この原理を使っている補聴器もあります。
つまりは人間も体全体を使って音を聞いていることになります。
確かにライブ会場に行くと肌全体で音や振動を感じるのがよくわかります。
よく「音を浴びる」と表現されますがまさにその通りです。
ですから音を「聴く」のではなく「浴びる」感覚は現場でないとわからないし、もともと生物が本来持っている能力の1つなのです。
ちなみに養老さんの説では、アリの巣の中は相当うるさいに違いないそうです。
移動したりヒゲも足も動くたびに必ず音がしているといいます。
人間には到底感じられませんが。
養老さんは「コミュニケーション抜きにアリのような複雑な生活をすることはできない」と断言します。
そう考えるとライブ会場は音を通してミュージシャンとオーディエンスが共に肌感覚を通じてコミニケーションを取り合う場とも言えます。
いろいろと考えてみましたが、とにかく早くちゃんとライブが出来るような環境になり、みんなが参加できるよう願っています。