仏具の置き方についてもちゃんと向きがあるというお話も伺いました。
そういえば今までほとんど気にしたことがありませんでした。
この点についても良い勉強になりました。
ついでに話が弾んで懐紙の折り方についても教えていただきました。
茶道などをする方はよくご存知かと思いますが、懐紙にも慶事と弔事の折り方があります。
私自身はお菓子を出すときに懐紙を使った事はありませんので知りませんでした。
また時々お菓子をいただく時に懐紙で出されることもあるのですが、この折り方に全く意味があるとは思っておりませんでした。
具体的にはこんな感じです。
上の辺が右下がりが慶事、右上がりが弔事です。
ではなぜその決まりになったのでしょうか?
諸説あります。
「君子南面す」、昔中国の皇帝は必ず南に向かって座ったといいます。
南へ向かって吉祥を待つ姿勢をとれば、万物を照らし命を育む太陽は東から、つまり左手から昇って来ることになります。
だから左上を示す折り方にして「今日は明るい佳い日ですね」という気持ちを表すようです。
または、前にもブログで紹介しましたが古来左と右なら左の方が位が上という説もあります。
その元ネタも「君子南面す」という事ですが。
例えば着物の裾などがそうです。
諸説はともかく、実際に慶事と弔事の折り方双方でお菓子をお持ち帰りするとします。
やってみました、ご住職も含めて。
弔事の方がお菓子を包みやすいのです。
なぜなら右手指で右に出ている端っこをつかみ、そこを下から上に回せば簡単にお菓子が包めます。
つまりお持ち帰りしやすい=早く帰れる、もしくは早く帰ってくださいね。
慶事の方はなんともお菓子を包みにくいのです。
お持ち帰りしにくい=ここでゆっくりしていってください。
というふうにも取れるとご住職。
ご住職自身の経験でもこういうことがあったようです。
自分では行けないような高級な割烹料理屋に連れて行ってもらったとき、お料理がどんどん進む中で天ぷらが出てきました。
その下に懐紙が敷かれていました。
このご住職がぱっと気づきました!
「あ、弔事折り・・・」
そんな話をひそひそとしてお会計になりました。
するとその割烹の料理長が出てきて「今日はお代を頂戴するわけには参りません」と言ったそうです。
「お客様のお料理をあのような懐紙でお出ししてしまいました。このようなお店で絶対やってはならないことをしてしまいました。なのでお代は当然いただけません」
押し問答しても頑として譲らず、結局20万程度お店が負担したということです。
大体一人当たり数万円のお料理だったようですよ。
行儀作法は知らないと恥ずかしいことになるという事ですね。
自分を顧みれば行儀作法については誠に恥ずかしいほど無知で過ごしてきました💦
いくつになっても勉強しなければいけませんね。