hayatouriの日記

はやとうり の独り言

好きを仕事にすると・・・

 

好きを仕事にすると・・

 


野球のイチローさんが子供たちの質問に答える番組がありました。

 


子供たちの質問は本当に想定外で多面的な切り口から出されます。

 


悩み事であったり、将来の夢であったり。

 


その中で1人の子供が


「将来はお寿司屋さんになりたいです。お寿司が好きだし自分のお店も持ちたいのでそれを目標にしています」


と発言しました。

 

私は、きっとイチローさんはその子供の意見を聞いて励ましたり、褒めたりするのではないかと思っていました。

 


ところがイチローさんは真剣な眼差しでこう答えたのです。

 


「つまり プロになるってことだよね それは・・・」

 

 

(そして一呼吸置いて)

 


「お寿司が大好きだったのが 自分の仕事になると、ま、 大変なことがほとんどで、心から楽しめなくなる という現象が起きるのね。


「それを受け止めて 頑張っていくことができるかどうかは、 今やっていることが好きかどうかがポイントになるんだけれども、 例えば僕は野球を職業としてやってきたんだけれども、 小学生・中学生の時にやっていた野球とは全く違って    そういう楽しさはゼロだった。 ゼロです・・」


「プロになると やっぱり責任もあるので、 うまくいったときの気持ちの良さっていうのは もう言葉では表現できない、 口ではもう説明できないような快感があるんだけれども、 でも基本的には  失敗と常に向き合うことの時間になるので、 まぁ すごく大変なこと・・」


「だからもう一度、 同じ人生を野球選手になりたいか と僕は聞かれたら  やると言う、 はっきりやりたいと言う事は できない、というのが  プロの世界だという事は 知っておいてもらいたいね・・・」

 


と、まあ、子供に向けて豪速球を投げこんだのです。


もちろんあのイチローさんが、真剣な眼差しでアドバイスしてくれるので子供たちもほんとに真剣に話を聞いています。


例えば音楽が好きで、日常生活でバンド組んで楽しくやっている人がいたとします。


たまたまその人があるきっかけでプロの演奏家になったとしましょう。


「好きなことで生活できていいよなぁ」と大体の人は考えると思いますが、実際はイチローさんの話が指摘するようにプロは大変厳しい世界です。

 

もちろんプロ野球のように毎年契約更新が行われます。

 

年契約ではなく一曲契約などもあります。

 

いわゆる商業音楽ですから費用対効果も当然求められます。

 

会社にとってプラスを残せないと契約は簡単に解消されます。

プロ野球で言うところの「戦力外通告」を受けるわけです。

 

会社の責任はここまでです。

 


そう考えると、子供たちに語ったイチローさんのアドバイスは、「プロ」という本質を見事に表現した言葉だと何度読み返しても感心します。

きっと子供たちの心にも深く刺さったのではないかと思いました。

 

皆さんはどうお考えになりますか?