2020年上半期の米国でのレコード売り上げが、CDを上回ったという全米レコード協会の昨秋の発表がありました。
日本でもレコードの売り上げはこの10年で10倍以上になっています。
カセットテープ市場も、世界的ミュージシャンが続々参戦し、熱を帯びています。
わずか1000円程度で数万曲が聴けるサブスクリプション(定額制)の配信のこの時代にどうしてでしょうか?
日本レコード協会(東京)によると、レコードの生産枚数は1970年代後半に年間約2億枚と全盛を極めました。
しかしCDの台頭により2009年には約10万枚に減少しました。
そこから増加に転じ、19年は約122万枚まで盛り返しました。
今、大都市の中古レコード店には多くの若者が足を運び、たくさんのレコードを購入しているとのことです。
その若者たちに聞いてみると、「レコードをセットして、針を落とし音楽を聴くという1つの行為そのものが楽しい」と話します。
アナログレコードの魅力は「独特の音質」や「ジャケットの芸術性とインテリア性」「所有の満足感」があります。
私も確かに「ジャケ衝動買い」みたいなこともしました。
サブスクは2方向の新しい波を起こしてしまいました。
まずサブスクを通して好きなアーティストに出会う機会が圧倒的に増えました。
逆にそのような若者がアナログに流れて来ています。
レコードは体験型であることが1つの魅力です。
私たちは遠くの音楽フェスに飛行機や列車を乗り継いで行きます。
ライブ会場では雨でびしょぬれになっても音楽を満喫しますよね。
その体験、過程が楽しくいつまでも記憶に残っているのです。
アナログレコードを聴く操作は面倒くさいです。
針を下ろし、A面B面をひっくり返したり。
でもその体験型がいいんです。
私はコーヒーが大好きですが、豆をひいてゆっくりとお湯を注ぎ、蒸らし、抽出する、温めたカップに注ぐ、という過程も大好きなんですよね。
よく考えれば体験ですよね。
大手レコード会社もアナログレコードの自社生産を復活させていくようです。
もしやご自宅に昔に買ったアナログレコードが保管されていたりしませんか?
今一度レコードに針を落として聞いてみると新鮮かもしれませんよ。