もうずいぶん長い間自筆の手紙や葉書を出さないでいます。
皆さんも葉書や手紙の書き方は小学校で大体学んだと思います。
いや、もちろん子供なりの書き方ですよ。
子供が「拝啓」や「謹啓」なんて書くわけありません。
はがきを書いて出せばお返事が来るとという喜びがありました。
年賀状のやりとりもその頃から始まったと思います。
中学生位の頃はまだ「ペンフレンド」という言葉があり、雑誌などで募集の案内が載っていたりしました。
どんな人なのか知らないけれど、手紙のやりとりをして友達を増やしていくペンフレンド。
私はやったことはありませんが、大勢の人たちがこれをしていたはずです。
手書きがいつの間にかワープロになり、パソコンに変わりました。
以前は年末に追い込まれた宿題のように書いていた年賀状からも解放され、1日もあれば相当多くの年賀状でも楽に作れる(そう!書くのではなく、作る!)ようになりました。
日常生活もそうです。
字を書くという作業が激減しました。
私の生活の中から電話帳・住所録が消えました。
日程表や手帳が消えました。
そのほとんどをスマホが飲み込んで行ってしまいました。
仕事での書類作成作業はほとんどパソコンで行ってしまいます。
だから漢字を書く能力が格段に下がってしまいました。
本当に日常書くのは住所と名前ぐらいです。
恥ずかしながら読めるけど書けない漢字も増えています。
ところが、今年いただいた年賀状の中にかなり長文の自筆年賀状がありました。
既に83歳になられたご婦人ですが、それはしっかりとした美しい字でした。
最近私の近辺で起こった「ある出来事」を、まるで自分のことのように喜んでいるとのお話でした。
私自身も自筆の葉書をいただくのは本当に久しぶりで、「あ、やっぱり印字じゃないなぁ、味わいがあるなぁ」と感動すら覚えました。
作家の伊集院静氏は手紙の作法をこのようにまとめています。
・上手く書こうとしない
・文字を丁寧に書けば、それが綺麗な字となる
・一番は、何を伝えたいかを常に考えて書き進める。そのことは伝えたいものが書けたら、そこで手紙の文面を終えるつもりでもいい。
・短すぎる手紙はない
・短い手紙の方が良い手紙といってもいい
・時候、季節の挨拶を、なるたけ自分の言葉で書く
・知らない言葉を使わない
・無理に漢字にする必要はない
・むしろ漢字は少なくていい
・誤字は訂正して書けばいい
・慣れた文具で構わないし、鉛筆でも構わないのだが、文字が大きく濃くなるものを使用する
・できれば相手が何度読んでも消えない文具の方が親切である
・書き出したら途中で止めず、最後まで書いて、それを読み直して、出すか出さないかを決めればいい
どうですか?
ちなみに文筆家の皆さんは、手紙を好んで使われるようです。
まぁ、文字を綴る人たちですからねぇ。
とはいえ、自分がそうできるかはまた別の話です。
自筆で手紙を書くって結構エネルギーがいるんですよね。
でもこれを機会にチャレンジしてみようかと考えたりしています。