皆さんは「ハブとマングースの戦い」を聞いたり見たりしたことはありませんか?
私の子供たちが小さい時に沖縄に行きましたが、その時もこのショーを見せてもらいました。
同時にニシキヘビを肩にかけるというアトラクションもあり、息子がニシキヘビを肩にして神妙な顔で記念撮影をしていたことを思い出します。
イメージ的に猛毒を持つハブと戦う「正義の小動物」といったところでしょうか。
多分昔の人もそう考えてマングースを輸入したのでしょう。
現在マングースは特定外来生物に指定されています。
1910年(明治43年)にガンジス川河口から17匹がハブの駆除を目的に那覇市に持ち込まれたといいます。
本島南部に定着して生息エリアを拡大し続けました。
90年代には北へ侵入したと考えられています。
その後同じ目的で1979年奄美大島に沖縄からマングースが持ち込まれました。
ところがどっこい、マングースとハブが接触する事は少ないのです。
なぜならマングースは昼間活動し、ハブは夜間活動するからです。
うっそ〜〜〜!
そしてマングースは増え続けました。
つまりマングースはヤンバルクイナやアマミノクロウサギなどの沖縄や奄美大島の希少動物を餌にしていたのです。
なんてよ〜〜〜!
(@_@;)
(なんてことだ!のこちらの方言)
マングースの糞を分析して明らかになりました。
さすがにこれはまずいぞ!となりました。
今度は逆に「マングースをつかまえろ!」の号令がかかりました。
彼らにとっては寝耳に水でしょう!
なんでえよお〜〜!
( ゚Д゚)
(なぜ!マングースの叫び)
難しい言葉では「マングース防除事業」といいます。
沖縄と奄美大島で進められています。
「マングースバスターズ」と呼ばれる高い技術を持った専門家たちがその任務に当たっています。
その結果、沖縄本島北部のマングースの個体数が減り、ヤンバルクイナなどの希少種の生息域が回復しています。
環境省と県が2020年度に北部で捕獲したマングースは33匹です。
前年度より6匹減少しています。
防除が進みこの地域にいるマングースの数が減ったためとみられています。
しかしそれでも全県合計では447匹もの捕獲となっています
自然の摂理に逆らって人間が自分の都合で持ち込んだ外来生物が大きな問題になることが多いです。
ご当地でもタイワンザルの問題が少し前にありました。
タイワンザルは台湾原産です。
国内では1940~70年代に動物園から逃げ出すなどして野生化してしまいました。
環境省は2005年に特定外来生物に指定し、輸入や飼育は原則禁止されています。
和歌山県では、閉園した同県北部の動物園で飼育されていた十数匹が野生化してしまいました。
03年には約300匹に増え、ミカンやタケノコなどの農業被害も目立つようになりました。
和歌山県は駆除計画を策定し、03年から日本霊長類学会などの専門家と全頭捕獲に乗り出しました。
大型のおりなどを設置し、最初の約1年間で189匹を駆除、その後も経年的に活動し県内ではほぼ絶滅したとみられています。
自然交配により、固有のニホンザルがタイワンザル化してしまうという大きな危機があったのです。
しかし元はといえば彼らは人間の都合で「連れてこられた」わけです。
反省しなければならないのは人間の方なのかもしれません。