胃アニサキス症の治療は胃カメラでアニサキスを取り除きますが、腸アニサキス症の場合は虫体の除去はできません。
胃カメラは十二指腸の入り口位が限界だからです。
ではどうするのでしょう?
実はアニサキスは1週間ほど経つと自然に死滅してしまいます。
人間はアニサキスが本来寄生すべき相手ではないために体内で生き続けることができません。
なので鎮痛薬などを使って症状を抑えつつ、自然に症状が収まるのを待つだけです。
ごくまれに腸閉塞を起こしたり、上に穴が開いたりと重症化することがあるため、慎重に経過を見るのが一般的だそうです。
ではどうすればアニサキスを避けられるのでしょうか。
それは鮮度、目視、冷凍、加熱がポイントです!
もちろん魚の鮮度は大事です。
すぐに内臓を除去しましょう。
そして内臓を生で食べる事はやめましょう。
カツオやイカなど身の部分はよく観察すれば発見することが可能です。
スルメイカを開いて内側の身をよく観察すると、小さな傷のような穴があることがあります。
大体そこにはアニサキスが潜んでいます。
またお寿司屋さんなどでイカを注文すると、鹿の子模様に細かく隠し包丁が入っていることがあります。
これには歯ざわりのほかに、イカの身にアニサキスが万一いたとしても、切ってしまえば死んでしまうからという説もあります。
魚屋さんなどではカツオなどにブラックライトを当てチェックをするようです。
私も魚料理が好きなのでブラックライトを1つ持っていますが、アニサキスがいれば紫色に発光します。
またアニサキスは高温にも低温にも弱いのが特徴です。
60度で1分以上、あるいは100度以上の加熱なら瞬時に死んでしまいます。
またマイナス20度で24時間置いておいても死滅します。
スーパーなどでスルメイカやカツオのお刺身などをわざわざ「解凍」と表示して売っている時がありますが、アニサキス対策を考えればこちらを買う方が安心ともいえます。
私はスルメイカの場合、食べられるように処理してから48時間冷凍しています。
一方酸には強いため、酢でしめても死ぬ事はありません。
考えてみれば私たちは飮食する時が最も無防備でもあります。
食べ物に潜む「身近な生き物」の生態は知っておいた方が安心かと思います。