最近世界中から「近江商人」とその商いの仕方が注目されています。
時まさに持続可能な発展が求められる社会となっていますが、どうやらそのお手本になっているらしいのです。
このことについて調べてみました。
近江商人は、現在の滋賀県一帯に住んでいた商人たちのことをいいます。
中世から江戸時代にかけて、北は北海道から南は九州まで天秤棒を担ぎながらめぐり、それぞれの地場商品を売買する「諸国産物回し」を展開した人たちを指します。
出身別に高島、八幡、日野、湖東の商人に分かれ、得意とした商品や活躍した時期なども微妙に違います。
しかし、その多くが行き先で信用を得ながら、事業を脈々とつないできたのです。
時代が下るにつれてその地で店を構えて商いをする者も出てきました。
その商売人としての姿勢を表した言葉が
「売り手よし」
「買い手よし」
「世間よし」
の「三方よし」という考え方なのです。
商いは基本的に売り手と買い手の合意で成立するのですが、そこに「世間」という概念を加えていることに近江商人の特徴があり、先見性があったと言われています。
当時は生産から流通、消費はその藩で帰結させるのが経済の基本でした。
そこによそ(他国/他藩)から来た商人が、稼いだお金を自分の国(藩)に持って帰ることは、その藩として面白いはずがありません。
当然よそから来た人を排斥しようという圧力が掛かります。
ですから、その地域の方に受け入れてもらえる商いの方法を考えたのです。
自分のことだけを考えるんじゃなく、他国(他藩)に行ったら余計にその場所のことを、気持ちを汲み取って商売をしなさいということなのです。
また近江商人たちは粗悪なものを売ってはだめ、高く売ってはだめですよ、というような商いをしました。
まさにグーバル時代の現在に通じる商売姿勢ではないでしょうか。
近江商人はさらに地域に積極的に貢献していきました。
その貢献の様子を次回は見ていきたいと思います。
つづく