昨日の続きです。
中国の経営者がこぞってこの三方よしを学びに来ているといいます。
一体どのような理由があるのでしょう?
「聞けば、何千人もの従業員を抱える大企業だと言うんです。
彼らが言うには『これまで会社を大きくすることができたが、それをどうやって維持していくかがわからない』というわけです。
そこで近江商人発祥の地である滋賀にやって来るのだそうです。
彼ら曰く・・
「『生産システムはトヨタから学ぶ。最先端技術はイスラエルから学ぶ。でも持続的な経営を学ぶには滋賀に来る』と」
まさにSDGs的経営が世界に広がるにつれ三方よしの評価が高まっているのです。
ただ藤野さん(前出)自身は、これからの時代の三方よしを経営に取り入れるためには、別の軸を加える必要があると考えています。
「近江商人の家訓のなかには、『お客さんの欲しがるものを売るな。自分の売りたいものを売るな。お客様の役立つものを売れ』とある。
いま喜んでもらうのではなく、お客さんが後々『これを売ってもらってよかった』というものを売りなさい、という教えです」
つまり、いまある「よし」ではなく、お客様の「明日によし」、自分の「明日によし」という未来の時間軸なのです。
藤野さんらはこの「明日によし」を加えた「NEO三方よし」こそ、持続可能な社会における経営理念構築のために求められている思想だと捉えています。
「いかに様々なステークホルダーを大切にすると言っても、会社が「明日によし」という発想を持たないサステイナブルなステークホルダーとはなっていかない」(藤野さん)
近年、SDGsという言葉をよく聞きます。
「Sustainable Development Goals」の頭文字をとり、持続可能な開発目標を意味しています。
この「持続可能な」というのは、今だけでなく、将来にわたって地球環境を失うことなく維持しつづけていくことです。
なのでSDGsは「将来の世代のための環境や資源を壊さず、今の生活をより良い状態にするための目標」となります。
この目標を実現するためには、国や企業などのリーダーが協力して行動していくことが大切ですが、私たち一人ひとりの意識や行動も重要となります。
近江商人についてブログを長々と書いてきました。
実は私たちの過去の社会の中に、今の最先端の思想と行動があったという事は驚きです。
そして近江商人の考え方はどんなビジネスにおいても必ず役立つものだと思われます。
まさに温故知新です。