皆さんもご記憶にあるでしょうね。
学生時代、体育館やグラウンドに座る時に最もスタンダードな座り方は「体育座り」だったのではないでしょうか。
あの座り方どう思います?
日本の義務教育でおきまりの「体育すわり」。
西洋文化が導入されるまで、畳の上で暮らしていた日本人は伝統的にこういう座り方は絶対にしなかったはずです。
古来、畳の上で暮らして来た日本人は座るときは、ほぼ正座かあぐら、または立膝でした。
NHKの大河ドラマで体育座りをしている武士たちを見たことがありますか?( ..)φメモメモ
日本古来の座り方によって、丹田やハラ、周辺の筋肉が鍛えられていました。
こちらは、古代エジプトの第18王朝最後のファラオであったホルエムヘブ(紀元前1323−1295年在位)が異民族の奴隷を数えているレリーフです。
この奴隷の顔を見ると、当時のエジプト人とは違う人種であることが分かります。
この人々は現在のアスワンからスーダンにかけて存在した民族であったと言われています。
そしてこちらはジンバブエの囚人の画像です。
いずれも注目していただきたいのは奴隷や囚人たちの座り方です。
体育座りは外国では「囚人座り」と呼ばれているのです。
体育座りは、確かに数分程度なら大丈夫ですが、長い時間体育座りをしていると、お尻が痛いという経験をした人は多いでしょう。
お尻が痛くなってしまうような、長時間座っているのに向かない体育座りがなぜ学校で標準化されたのかご存じですか?
体育座りが学校での座り方として標準化された経緯についてご紹介します。
体育座りが学校で導入されたのは割と最近のことで、1965年のことです。
1965年に文部省から学校で用いられる学習指導要領の補足として「集団行動指導の手びき」が発行されたことが発端です。
この「集団行動指導の手びき」には、体育座りが「腰をおろして休む姿勢」として紹介されており、そのため学校で体育座りが広く導入されました。
つまり、それまで学校ではこれといって座り方が標準化されていたのではありません。
現代のようにピシッと全員が同じ姿勢で座っていた訳ではないのです。
56年前の出来事ですから、体育座りの歴史は意外と浅いと思う人もいるでしょう。
体育座りでお尻などが痛くなったり、女の子は学校の制服がスカートであるため、体育座りに抵抗があったという人も多いと思います。
実は、学校で体育座りをしなければいけない規則は存在せず、本来は強制されるものではありません。
ですから、体育座りを崩して座っても、規則に反するということはないのです。
例えばアメリカの教育の現場では、子どもたちはほとんどの場合は椅子や台の上に座っています。
床に座る場合は、体育座りの姿勢を取ることは一切なく、あぐらです。
または人魚すわり。(これは、US School Children sitting などのキーワードで検索するとわかると思います。)などの座り方が一般的です。
文部科学省からも「体育の授業などでの座り方として、体育座りが絶対ではない」と発表されています。
周囲が体育座りをしていても自分がお尻が痛くて耐えられない場合には、無理せず楽な座り方をすればよかったのです。
また体育座りのみを座る姿勢として強制することもおかしな話だったのです。
教育の現場では、生徒たちから「お尻や腰が痛む」や「窮屈」などの声が続々上がっています。
現時点では体育座りが廃止になる可能性が出てきているそうです。
つづく