気候も良くなって、コロナの影響も減少している中で、野外に遊びに行ってみたい方も多いのではないでしょうか。
特に最近は「ぼっちキャンプ」を始めとしてキャンプが盛んになってきています。
そんな中で注意をしたいのが、毒虫や毒を持った蛇なのですが実はこいつが一番厄介かもしれません。
ダニです!
ダニが感染症を媒介するのです。
これは肌に入り込んだ写真です。
リケッチアやウイルスという病原体を保有するダニなどに刺されることにより起こる感染症です。
2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)。
これを保有する「マダニ」に刺されることによって引き起こされる、「重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)」という感染症があります。
リケッチアや細菌など病原体を保有する「マダニ」に刺されることで感染する可能性があるのが
「日本紅斑熱」
「ライム病」
「回帰熱」また、
「つつが虫」(ダニの一種)に刺されることによって感染する「つつが虫病」などが主な病気です。
いずれも、すべてのマダニ、つつが虫が病原体を持っているわけではありませんが、ダニ等に刺されないための注意が必要です。
SFTSは、国内では13年に初確認されました。
少し以前の和歌山県の資料ですが貼っておきます。
和歌山県内では14年に初確認され、14年2件、15年1件、16年5件、17年3件、18年6件、19年3件、20年4件の報告があります。
それぞれの感染症の特徴は・・・
ダニに刺されてから6日~2週間程度で、原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が中心です。
時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)など様々な症状を引き起こします。
重症化し、致死率は20%〜30%と言われています。
日本紅斑熱・つつが虫病
ダニに刺されてから、日本紅斑熱は2~8日後に、つつが虫病は10~14日後に、高熱、発疹、刺し口(ダニに刺された部分は赤く腫れ、中心部がかさぶたになる)が特徴的な症状です。
紅斑は高熱とともに四肢や体幹部に拡がっていきます。
紅斑は痒くなったり、痛くなったりすることはありません。治療が遅れれば重症化や死亡する場合もあります。
ライム病
ダニに刺されてから、1~3週間後に刺された部分を中心に特徴的な遊走性の紅斑がみられます。
また、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感などのインフルエンザ様症状を伴うこともあります。
症状が進むと病原体が全身性に拡がり、皮膚症状、神経症状、心疾患、眼症状、関節炎、筋肉炎など多彩な症状が見られます。
マダニ媒介性の回帰熱
ダニに刺されてから、12~16 日程度(平均15 日)に 発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、関節痛、全身の倦怠感などの風邪のような症状が主です。
時に、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸不全、出血症状(歯肉出血、紫斑、下血)が現れます。
実は亡くなった私の父も90歳を超えてマダニよる被害を被りました。
父は当時農業をしていました。
入院時には40度近い熱になり、入院してもベッドがガタガタ揺れるほどの悪寒が4日程度続き意識も混濁していました。
救急車で運ばれた時、医師たちは私から父の状態を聞いたうえで「農業をしていた」ことを確認しました。
そして家が山際であることも確認しました。
すでに経験のある医師たちはすぐに父の衣服を脱がせ、懸命にダニの噛み傷を探したのです。
実際のところ「もう最後かもしれない」と覚悟した時もありました。
しかし父は医師たちの懸命な治療で何とか一命を取り止めました。
次回はその予防方法等についてブログで紹介したいと思います。
つづく