昨日は政策金利を下げた場合どのような動向が経済に波及するかを考えてみました。
次に政策金利を上げる(利上げ)と、どうなるのかを考えてみましょう。
金利が上がると…景気が悪くなる!その理由
(1)金利負担が高くなるので、企業はお金を借りにくくなり、事業縮小
→株価が下がる
(2)世の中にお金が少なくなり、購買力が下がり、消費が少なくなる
→物価(インフレ率)が下がる
(3)金利が上がり、その国の通貨の人気が高くなる
→通貨高になる(輸出で不利になり、貿易赤字に)
(4)世の中の金利が上がる
→債券の利回りが上がり、債券の価格は低くなる
では今回アメリカが行った利上げの目的はなんなのでしょう?
利上げをすることは「金融引き締め策」とも言われます。
急激な物価上昇や景気が過熱しすぎてバブルが発生しないようにする効果があります。
しかし、景気を冷やす効果があり、利上げはかなり慎重に行われなければなりません。
さてここで利上げと利下げ(4)の債券の利回りと債券の価格の関係について考えてみたいと思います。
そもそも債券とは、お金の貸し借りの証拠となる「借用書」のようなものです。
国や企業などお金を借りたい側は、「債券」を発行し、お金の貸し手である投資家に債券を購入してもらうことで資金調達します。
そして債券の発行元はお金を返す期日(償還日)が来たら、債券を発行したときの額面金額を返す必要があります。
また、債券には利息が設定されており、利払い日に利息が支払われるものです。
そのため、債券購入者は額面金額と利息を得られます。
そしてこの債券価格に大きな影響を与えるのが「金利」です。
債券は金利収益を目的とした金融商品であることから、市場金利に価格が左右されます。
具体例を見ていきましょう。
例えばあなたが持っている債券の金利が1%だったとしましょう。
この場合、市場金利が2%となった場合、あなたの保有している債券は市場よりも金利が低いため、人気が無くなってしまいますよね。
人気が無いということは、債券価格が下落してしまうということです。
反対に市場金利が0.5%となった場合、あなたの債券の方が金利が高いため、人気になりますよね。
人気があるということは、債券価格は上昇するということです。
このように考えてもらえれば(4)の意味がよくわかると思います。
ごく簡単に政策金利の説明をさせていただきました。
このように政策金利をどうするかは、私たちの日常生活に深く関わってくるのです。
これからも注目していかなければなりません。