hayatouriの日記

はやとうり の独り言

親と一緒に住んで住んで困ること  その1

 

御多分にも漏れず当地方でも人口減少が進んでいます。

 

高校や大学を卒業して都市部に出て行った子どもたちは、仕事があまりない地方には戻ってこないことが多いですね。

 

実は私自身もそうなのですが、都市部で働いていましたが両親が高齢になって地元に戻ってきました。

おそらくそう簡単に仕事は見つからない前提で、とある国家資格を取って地元で仕事を始めたわけです。

 

しかしもし、自分の息子や娘が幸いにして地元に就職が決まり、もしくは地元で結婚をして所帯を持ったら、親としてはずいぶん喜ばしいことではないかと思います。

 

都会ではない地方ですから、先祖伝来の土地があるかもしれません。

 

もしくは住宅が二軒建てれるほどの宅地をお持ちかもしれません。

 

親としては子ども夫婦と一緒に、それこそ「スープの冷めない距離」に住んでもらえたらと考えることもあるでしょう。

 

実はつい先日も知人とこのような話をしたばかりでした。

 

さて今回は新たに所帯を持った夫婦にここで起こる問題について調べていきたいと思います。

まず、「結婚した夫婦が絶対にやってはいけないこと」は「義父母の土地の上に家を建てる」ことなのです。


自分の実父母が所有する土地上に家を建てることも避けたいですが、自分の配偶者の父母の土地の上に家を建てるということは、絶対にやってはいけないと言われています。

 

(なお、ここでいう実父母、義父母の区別は、建物の所有名義人と土地の所有名義人の関係をいいます)。

 

長い人生の中で何が起こるか分かりません。

ときには「離婚」という選択を迫られる場合もあります。


夫婦が離婚するとなった場合、財産分与においては、夫婦で貯めた財産の2分の1ずつもらえるのが原則です。


しかし、義父母の土地の上に建てた建物は、上記のとおり、負の財産でしかないため、建物の名義人は、家を手放して全て相手方配偶者に渡さざるを得ません。

 

その場合は、夫婦で貯めた財産のほぼ全てを相手方に譲ることになってしまうことが多いです。


これは、特に地方ではよくある話です。

 

もしかしたら「タダで土地を使えてラッキー」くらいに思う人もいるかもしれません。

 

しかし、これが大きな落とし穴になるのです。


日本の法律上、土地と建物には別の所有権が成立します。

 

当然のことですが、建物を建てるためには土地が必要ですので、土地と建物の所有者が別の場合、土地所有者との間で、何かしらの権利が必要となります。

 

そうでないと、不法占有者になってしまいます。


そして、一般的に、義父母の土地の上に建物を建てる場合、賃料を支払うこともなく、何らの契約書も交わさないことが多いでしょう。

 

その場合、土地所有者(義父母)との間では、「使用貸借」という契約上の権利に基づいて土地を使用することになります。

 

要は「タダで借りる」ということです。


お金を払って借りる「賃貸借」は、借主も一定の負担があるので、借地借家法で借主には手厚い保護がなされています。

 

例えば、建物所有目的で土地を賃借した場合、借地借家法によりある程度保護されます。

 

契約期間は最低30年とされますので、賃料不払いなどよほどのことがない限り、30年経つ前に追い出されることはありません。


しかし、使用貸借の場合、借主は何の負担もなく、あくまでも貸主の好意で貸されているにすぎないため、権利保護がとても弱いのです。


そのため、特に何も定めていない状態だと、信頼関係が破壊された場合に、いつでも「建物を壊して出ていけ」と言われる危険があります。


もちろん、建物から追い出されたとしても、住宅ローンは残ります。

 

出ていけと言われてしまったら、建物は無価値になるどころか、少なくとも100万円前後、居宅の大きさによっては200万程度の解体費用を支出しなければならない負の財産になってしまいます。

 

つづく