昨日の続きです。
今までは老後破産の具体例を見てきましたが統計上老後破産はどんな数字になっているのでしょうか。
日本弁護士連合会の調査によれば、2020年の破産事件のうち最も多いのは40歳代・50歳代ですが、60歳代は16.37%、70歳代以上は9.35%と60歳以上の方が全体の1/4以上を占めていることが報告されています。
年齢帯割合
20歳未満
0.00%
20歳代
9.92%
30歳代
15.89%
40歳代
26.94%
50歳代
21.45%
60歳代
16.37%
70歳代以上
9.35%
不明
0.08%
次に破産者全体の負債原因の上位10項目を見ていきましょう。
破産者が負債を抱えた理由としてもっとも多いものは「生活苦・低所得」です。
浪費や遊興費から破産する方もいますが、生活苦でお金を借りて破産する方のほうが5倍以上多いことからも、老後破産は決して他人事ではないと考えるのがふつうでしょう。
負債原因割合
生活苦・低所得
25.88%
病気・医療費
9.70%
負債の返済(保証以外)
8.53%
失業・転職
7.32%
事業資金
6.71%
生活費の購入
6.14%
浪費・遊興費
4.73%
教育資金
4.10%
給料の減少
3.99%
保証債務
3.93%
参考:日本弁護士連合会「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査
厚生労働省の「生活保護の被保護者調査」によれば、被保護世帯のうち55.16%は高齢者世帯となっています。
また、高齢者世帯の被保護世帯の約92%が単身世帯であることから、高齢者世帯のなかでも特に単身世帯は貧困に陥りやすいことが分ります。
参考:厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和3年9月分概数)」
老後に破産する原因、貧困に陥る原因は、一人ひとり異なります。
しかし、そのなかでもよく見られる原因としては、次の5つが挙げられます。
①所得に合わせた生活ができていない
②ローンを抱えている
③子どもの教育費がかさむ
④貯蓄が十分ではない
⓹大きな病気をした
それぞれの理由がなぜ破産や貧困につながるのか、また、なぜそのような状況に陥ったのかについて次回は調べてみたいと思います。
つづく