少子化が叫ばれて久しい中ですが、大学全入時代にあって、実は大学の学生数は増えています。
具体的には2021年度に大学の学部に所属する学生の総数が前年度を2,116人上回る262万5,688人に達しました。
過去最多を記録したことが、文部科学省の学校基本調査(確報値)で明らかになりました。
女子学生の数も前年度から3,090人増えた119万6,555人となり、過去最多を更新しています。
例えば私が卒業した医療系の専門学校も昼間部だけであったものが夜間部が併設されました。
入学試験も一回だけであったものが、数回にわたって行われるなど学生確保に力を入れているようです。
すべての大学が順風満帆かといえばそうでは無いようです。
特に音楽大学は異常ともいえる学生減に見舞われているようです。
私のイメージでは、音楽大学進学といえば、ご家庭にもそれなりの収入があり、幼い頃から楽器などのレッスンを受けてその先に音楽大学に進むというものがありました。
その音楽大学が苦戦している?
果たしてその原因はどこにあるのでしょうか?
少し気になったので調べてみました。
銀行支店長から音楽大学教授へ転じた異色のキャリアを持つ大内孝夫氏
※1960年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)入行。
証券部次長、いわき支店長などを歴任。
2013年より武蔵野音楽大学にてキャリア指導を担当。
はこのように語っています。
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私は多くの音楽大学にうかがう機会をいただいていますが、どの音大も抜群の教育環境を整えています。
例えば指揮者の小澤征爾さんなど世界的な音楽家を多く輩出し、私立ナンバー1の呼び声が高い桐朋学園大学。
新宿からキャンパスまで30分程度で行ける調布市内の閑静な場所に広大な敷地を有しています。
東京音楽大学は著名人や財界関係者の住まいがある代官山。
武蔵野音楽大学は、池袋から西武池袋線で6、7分の江古田といった具合で、近年大学の都心回帰が叫ばれる中、ほかの多くの一般大学がうらやむ、恵まれた立地条件にあります。
しかもキャンパスにはいくつものコンサートホールや防音がしっかり施された練習室などの充実した設備を有しています。
最近は校舎の建て替えも盛んで、新しいキャンパスが続々とオープンしており、まさに音楽を学ぶにはうってつけの環境です。
授業は専攻楽器や歌などの個人レッスンや、少人数で行われるものが中心で、先生との距離も非常に近く、先生と学生がいたるところで会話しています。
私などはマンモス大学に通っていましたから、語学を除けば授業は1教室200~300人で受けるのが普通で、身の置き場がなく感じることが多かったと記憶しています。
銀行員から音楽大学に転職した際は、彼我の学習環境の違いにただただ驚くばかりでした。
このように恵まれた教育環境にあるにもかかわらず、音楽大学の学生数は、全体としてここ20年減少の一途を辿っています。
しかも特にこの10年、その傾向が顕著です。
つづく