ウクライナとロシアの戦争が泥沼化しています。
既に皆さんもご存知の通り戦争の「仕様」が昔に比べて大きく変わっています。
特に今回の戦争で注目を集めているのが「ドローン」です。
日本でもテレビや様々な場面で登場するようになりました。
大自然を撮影したり、スポーツイベントを大空から撮影したり、ときには、災害救助や支援などにも使われます。
昔は空から撮影をするには、飛行機かヘリコプターを使う必要がありました。
低コストで身軽に飛ぶドローンは、私たちの目となり、手足となって様々な方向に飛び交っています。
それが今、ウクライナの戦場を、偵察や情報戦、攻撃の手段として飛び交っているのです。
果たしてこの「ドローンの戦争」は、人類に何をもたらしてしまうのでしょうか?
ウクライナ軍が今最前線で、偵察用として使っているのはラトビア製ドローンです。
すぐに組み立てて飛ばすことができ、戦場で多用されています。
これまでは、偵察兵が森林などの影からずっと離れた位置で偵察していました。
ドローンは、相手の兵士や貨物、電子機器等を発見し、至近距離まで近づけます。
そして正確な位置情報を把握していきます。
ドローンが今飛んでいる経度と緯度と時間は、手元のコントローラーに表示されます。
そのデータを攻撃部隊のソフトウェアに入力すれば、火砲による砲撃でその地点をピンポイントに叩くことができるのです。
その攻撃結果は、ドローンから映像で確認でき、外していれば情報修正して再び攻撃するのですから、攻撃の精度は格段に上がります。
例えば、ウクライナ軍がTikTokにあげている膨大な映像を確認しましょう。
ドローンがソ連戦車の真上に飛行します。
わずかに開いた入り口に、バナナ程度の大きさの小さな爆弾を投下しているシーンが多く見受けられます。
まさに武器としてのドローンです。
ドローンは、センサーやバッテリーの性能が改善され、この10年で急速に進化したと言われています。
2020年のナゴルノ・カラバフ戦争で、アゼルバイジャンがドローンを投入し、非常に注目されました。
AIを搭載したドローンによって、30年来にわたる係争地として知られるナゴルノ・カラバフ州を巡るアルメニアの紛争でアゼルバイジャンが勝利したのです。
そして同州の領土の一部を奪還することに成功したのです。
その裏ではトルコが動いていました。
トルコはずっとナゴルノ・カラバフ紛争では、同じトルコ系でイスラム教徒が多いアゼルバイジャンを軍事的に支援してきました。
この時はAIドローンという隠し玉で勝敗の帰趨を決める役割を果たしたのです。
つづく