昨日の続きです。
前述の障害者用ICカードサービスを断られたのは、31歳の時に脳出血を起こし、以来左半身麻痺の生活を送っている方です。
現在、コンピュータ関係の仕事をしつつ、「相馬杜宇」の名で劇作家としても活動しています。
障害者手帳には旅客運賃減額第一種とありますから、つまり、多くの公共交通機関では割引が適用されるのです。
障害の等級は1級。
1級は介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできない状態である等級ですが、厳しいリハビリの末、この方は一人でも行動ができるようになりました。
普段、電車での移動は一人だそうです。
ご本人さんも私と同じように、障害者の単独利用でも割引が適用されると思っていたのです。
ただ、電車を利用する度に障害者手帳を提示することに心理的な抵抗があったので一般の交通系ICカードを使い、普通運賃を支払ってきました。
そんな中、障害者用ICカードのサービス開始を知り、今までと同じ利用方法で割引になるならと思い、一人で購入に向かいました。
ところが、駅員から「障害者用ICカードのみの購入はできない」「障害者一人での利用はできない」と言われたのでした。
彼はこう話します。
「1級の身体障害者であっても車椅子で自力で生活している方もいます。
障害者だからといって十把一絡げで判断されるのは心外です。
障害者は介護者としか行動ができないとか、二人で一人という決まりきったイメージではなく、一人の人間として扱うべきではないでしょうか」
「障害者によっても様々な考え方があり、普通運賃でも構わないという意見もあると思います。
私はただ選択肢を増やして欲しいだけなんです」
では、この謎ルールを設けている各鉄道会社はこの方の疑問にどう答えるのでしょうか?
その回答は意外なものでした。
ある私鉄担当者は・・
「古い規則なので、なぜ“介護者同伴”でなければいけないかはわからない」
別の私鉄の担当者
「旧国鉄時代の障害者割引制度を踏襲し、現在でも運用しているのだと思う」
「正直、私も個人的には障害者一人での利用でも割引されるべきだと思っているが、規則だからどうしようもない」
私鉄の担当者でさえ、「なぜ介護者同伴でなければいけないかわからない」というのです。
どうやら、各私鉄は旧国鉄の規則を踏襲し、障害者割引制度を設けているらしいと言う事が分かりました。
それなら肝心要のJRはどう考えているのでしょうか?
つづく