前回の続きです。
千利休の話については、また機会があればいろいろご紹介したいと思います。
その後私が尋ねたのはここです。
大徳寺三門を右に見ながら、すぐ左の路地に入る興臨院があります。
大永年間(1521-1528)に能登(現在の石川県)の守護、畠山義総が創建。その法名を取って寺名を興臨院としました。
畠山家の衰退と共に荒廃しますが、天正9年(1581)に前田利家によって屋根の葺き替えが行われ、以後、畠山家に加え前田家の菩提寺ともなっています。
創建当時の姿が残る表門と本堂(唐門を含む)が共に重要文化財指定されています。
また、「昭和の小堀遠州」とも言われた作庭家、中根金作が復元した桃山風の荘厳な石組みを持つ方丈庭園や、茶室「涵虚亭」があります。
通常は非公開ですが、毎年、春と秋に一般公開される。
今回8月末から12月まで特別公開となっています。
ここは、お庭のほうは写真を撮っても良いのですが、ご本尊様が祀ってある本堂に向けての写真撮影はNGとなっています。
これは私が撮ったお庭の写真です。
写真だけを見ると、観光客はほとんどいないように思うでしょうけども、実は特別公開期間なので、団体客も大勢いました。
そのガイドさんの説明が聞こえるところで、「立ち聞き」するのも密かに楽しいものです。
通常は、仏具やグッズ販売などをしておられる女性の方たちがガイド役をしておられました。
さすがに手慣れたもので、観光客の笑いを誘うようなエピソードも織り交ぜながら見所を案内して回ってくれます。
公開内容はこのようになっております。
表門(重文)
方丈庭園
本堂(重文)
茶室「涵虚亭(かんきょてい) 」
ここの茶室は、実は、千利休と豊臣秀吉が共に使用していたと言われています。
茶室に入ることはできますので、そこから外を眺めると、かなり大きな岩を並べた枯山水が見えます。
彼らもこの同じ景色を見ていたかと思うと、なんだか不思議な感動を覚えます。
大徳寺の前には門前のお店がいくつか並んでいますが、「大徳寺納豆」を販売するお店があります。
納豆と言いますが、私たちがスーパーなどで見かける納豆とは全く異なるものです。
煮た大豆にはったい粉(大麦を炒ってひいた粉)をまぶして麹菌で自然発酵させます。
熟成と天日干しを繰り返した手間のかかるものですが、その味は最初の人には、かなりハードルが高いかもわかりません。
酒肴やお茶請けとして用いられる他、寺では粥において塩の代わりに使われるほか、原型となった豆豉のように料理の調味料としても用いることが多いのです。
つづく