昨日の続きです。
それぞれの単位を見てみましょう。
メートル法の単位
メートル
キロメートル
グラム
キログラム
リットル
キロリットル
ヤードポンド法の単位
マイル
ヤード
ポンド
オンス
バレル
ガロン
アメリカ国内で使われている単位は現在、メートル法で統一されていません。
むしろヤードポンド法が主流となっており、農場や工場、スポーツのコートのほか、スーパーやキッチンにおいてもヤードポンド法の単位が使われています。
単位換算がわかりやすいメートル法に対して、ヤードポンド法の単位換算は非常にややこしい!
長さだけでもマイル、ハロン、チェーン、ヤード、フィート、インチと呼び方が変わっていきます。
質量はポンド、オンス、グレーンで、体積はバレル、ガロン、クォート、パイントです。
もうここまでくると私にはさっぱり理解ができません!
しかしアメリカといえどもメートル法は世界標準の単位系ですから、使わないわけにはいきません。
そのため例えばジュースはリットル表記、牛乳はガロン表記、道路標識もマイルとメートルを併記するなど、2つの単位系が一緒くたになっているのです。
単位が統一されておらず、しょっちゅう換算が必要な状況では、必ずと言っていいほどトラブルが起きる事は想像に難くありません。
単位の間違いが大事故につながることも現実に起こっています。
火星探査機マーズ・クライメイト・オービターは、1998年11月に地球から打ち上げられました。
ところが1999年9月23日に起きた航行ミスにより、交信が途絶え、行方知れずになってしまいます。
のちの調査により、航行ミスの原因は「ヤード・ポンド法の単位で行われていた計算結果を、探査機の航行担当チームがメートル法の単位だと思い込み、換算をしないまま使用したこと」だと判明します。
この探査機の開発コストは当時の金額で1.931億米ドルだったそうです。
世界最高峰の知能が集まるNASAでさえこんな有様なのです。
取引のたびに換算が必要になる輸出入の現場や、一般企業、一般家庭で起きている単位換算ミスは数え切れないほどでしょう。
任天堂のスマホゲーム『ポケモンGO』はアメリカでも大人気ですが、このゲームで使われた距離の単位はキロメートルだったため、アメリカのユーザーが「5キロメートルって何マイルだ?」と混乱した、という笑い話もあるようです。
つづく