昨日の続きです。
能の出演者たちを続いて見ていきましょう。
↑それぞれの立ち位置を参考にしてください。
ワキの助演者です。
ワキツレ(ワキ方)
ワキツレが登場しない曲もあれば、二人以上登場する曲もあります。
ワキと同じく現実の男性役が多いので面をつけていませんが、ワキと一緒に登場したり、行動をともにするとは限りません。
今風に言えば合唱隊のような存在です。
情景や登場人物の心理を謡によって表現します。
後列の2番目か3番目の人が地頭といい、地謡のリーダーで、曲全体の指揮者的役割も務ます。
シテの相手役です。
ワキ(ワキ方)
「脇」とも書き、シテの相手役を努めます。
僧、神職、大臣、武士など現実に生きている男性の役柄が多いため、面をつけていません。
冒頭に登場する曲も多いが、まれにワキが登場しない曲もあります。
絶対欠かせない主役。
シテ(シテ方)
主役なので一曲に必ず一人です。
前後二場からなる能では前シテ・後シテと呼び分けますが、一人の演者が扮装を替えて演じます。
前シテで仮の姿、後シテで本性を現すという曲が多いのですが、前後で別人格を演ずる場合もあります。
4つの楽器で囃します。
囃子(囃子方)
笛・小鼓・大鼓・太鼓がそれぞれ一人ずつの計4人で構成されるが、太鼓が入らない曲もあります。
この4種類の楽器で、謡と合わせてさまざまな情景や心情を表現。各楽器は分業制で他楽器は兼ねません。
シテの助演者です。
ツレ(シテ方)
単に「ツレ」と呼ばれるのはシテの助演者です。
登場しない曲もあれば、二人以上登場する曲もあります。
また必ずしもシテと同時に登場したり行動をともにするとは限りません。
地味なようで実は重要。
後見(シテ方)
舞台の進行が円滑に運ぶよう見届ける役割です。
装束を直したりつくり物や小道具の受け渡しをするほか、シテに万一事故が遭ったとき代役を務めなくてはなりません。
二人以上のときリーダーを主後見と呼びます。
さて能にはどんな役が登場するのでしょうか。
度々登場する人間国宝のお話によれば、過去には2000曲ほど能が作られたようですが、現在の上演曲目はおよそ240曲だそうです。
そのうち普通演じられるのは120曲ぐらいそうですが、能の筋書きは非常に単純で、登場人物も類型化されています。
次回は登場人物について調べてみましょう。
つづく