hayatouriの日記

はやとうり の独り言

あのキャラクターにそんな意味が! その3

昨日の続きです。

 

ところで、釈迦の尊称は「仏陀」以外に「世尊」など色々あります。

 

「薄伽梵(ばきゃぼん・ばかぼん)」もその一つです。

 

聖なる者、徳ある者、賢者という意味のサンスクリット語「Bhagavat」の音写で、それを漢訳したのが「世尊」です。

 

かつて人気テレビ番組「トリビアの泉」でも取り上げられた、この「薄伽梵」。

 

実は漫画「天才バカボン」の主人公、バカボンの名前の由来との説があるのです。

 

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確かに、バカボンのほっぺにある渦巻きは、清凉寺釈迦像のあごに描かれた渦巻き模様と、そっくり。像の頭髪もやはり渦巻き形です。

 

「はて?」

 

赤塚不二夫公認サイト「これでいいのだ!!」に掲載された「バカボン度テスト」で、「そもそも『バカボン』ってなんのこと」という設問に対する回答の選択肢は、

 

●「韓国語でバカなボンボンの意、バカボスミダからとった」

●「フランス語で放浪者の意、バガボンドからとった」

●「イタリア語で『これでいいのだ!』の意、バカボンド~ラからとった」

の三つだけでした。

 

「薄伽梵」は登場しません。

 

ところが赤塚氏がテレビ番組で「元々の題名は『天才バガボンド』だった」と、フランス語の「バガボンド」説を述べていたという話も伝わります。

 

「天才」と対比して考えるなら、「バカなボンボン」が似つかわしい気もします。

 

では、このバカボン=「薄伽梵」説、都市伝説や偶然の一致にすぎないのでしょうか。

 

赤塚氏は2008年8月に亡くなりましたが、同月26日付毎日新聞「記者の目」によると、同紙の萩尾信也記者が生前の赤塚氏と気になるやりとりをしています。

 

その記事によると、ある日、「仏の言葉にバカボンという言葉があるんだよ」と赤塚氏が言ったそうです。

 

サンスクリット語の『薄伽梵』で、薄伽が徳、梵が成就の意味」だとして、「煩悩を超えた徳のある存在なのだ!」とのこと。

 

晩年の赤塚氏はぶっ飛んだキャラでいつもニコニコお酒を飲んでいた、いや「飲まれていた」イメージがありますが、実は色々深〜く世の中のことを考えていたのかもしれません。

 

萩尾記者が「それでバカボン命名を?」と尋ねると赤塚氏は「バカボンのパパと同じ顔をしてそっぽを向いた。答えは聞けずじまいとなった」そうです。


このやりとりは、どう解釈したらよいのでしょう。

 

少なくとも赤塚氏は、ある時点で「薄伽梵」という言葉の存在を知っていたようです。

 

核心に迫る問いかけに、そっぽを向いたのはなぜ?

 

今となっては確かめようもありません。

 

バカボンの語源は、薄伽梵なのか」

 

あの世で、薄伽梵(お釈迦さま)に直接問いただしてもらうしかなさそうです。

 

そうそう!でもコレでいいのだ!

 

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おしまい。