昨日の続きです。
銀行と銀行との間の取引について調べていましたね。
私たちが他の銀行に振り込みをする場合の決済の仕方です。
Aさんが自分の銀行(銀行A)からBさんの銀行(銀行B)に3000万円振り込んだ時、銀行Aの負債が3000万円消えて、銀行Bの負債が3000万円増える現象が起こります。
さあ、Aさんの振り込みによって銀行Bの負債が増えてしまいました。
そこで決済が必要になります。
銀行Aが得をして銀行Bが損をしたという現実ですから、銀行Aの得を銀行Bに移す必要があります。
これを「銀行間決済」と呼んで、実はこの作業を日銀がやっています。
これは銀行が日銀に預金している日銀当座預金を使って行われます。
日銀は銀行Aの当座預金を3000万円減らします。
代わりに銀行Bの日銀当座預金を3000万円増やすということをします。
結局、銀行間はプラマイゼロという形にしなければならないのです。
これが私たちがよくやっている「振り込み」の裏の仕組みなのです。
皆さんは、この日本銀行の当座預金の1日の取引が終わると、すべての銀行間の決済が完了すると思いますか?
日本国中の決済は膨大な数になりますので、当然その日1日では終わらない可能性があります。
例えば、銀行への当座預金残高が不足している場合などが困るわけです。
その時、銀行Aは困りますね。
さあ、どうしましょう?
銀行Aは「今日はお金がありませんので、明日返済しますから、お金を貸してください」と日銀にお願いします。
日銀は、銀行Aに日銀当座預金を貸し出します。
もちろん金利がつきます。
金融機関同士が資金を借りたり貸したりするのがコール(Call)市場と呼ばれます。
このときの金利を「無担保コール翌日物金利」と呼びます。
要は銀行が日銀に一晩だけお金を借りるという時にも支払うべき金利が生じます。
この段階では、我々庶民が介入する余地は全くありません。
すべて日銀と銀行間のやりとりになります。
しかし今年の3月まではデフレが進行し、みんながお金を借りてくれないという状況が続きました。
なので、日銀は金利をつけずにゼロ金利(もしくはマイナス金利)の運営を行っていました。
しかし、3月にマイナス金利政策を解除して金利0から0.1の間で調整をすることになりました。
その金利をこの7月31日に0.25に引き上げると発表しました。
そもそも、この金利は「銀行間の貸し借りの金利であって我々庶民には関係ない」と思われますが、実はそうでは無いのです。
つづく