hayatouriの日記

はやとうり の独り言

日銀の利上げについて考える その3

 

昨日の続きです。

 

日銀の金利が引き上がると、どういうことが起こるのか少し見てみたいと思います。

 

短期プライムレートという言葉をご存知でしょうか?

 

短期プライムレートは、1989年までは各銀行が公定歩合に連動した金利をもとに、信用リスクの大きさに応じて上乗せ金利を付けて決めていました。

 

ここで出てくる公定歩合という言葉をご記憶の方も多いと思います。

 

かつて、日本銀行の主な金融調節手段は、オペレーションではなく、「公定歩合」により金融機関に貸出を行うことでした。

 

また、規制金利時代には、預金金利等の各種の金利が「公定歩合」に連動していたため、「公定歩合」が変更されると、こうした金利も一斉に変更される仕組みになっていました。

 

このため、「公定歩合」は金融政策の基本的なスタンスを示す代表的な政策金利でした。

 

しかし、1994年(平成6年)に金利自由化が完了し、「公定歩合」と預金金利との直接的な連動性はなくなりました。

 

この連動関係に代わって、現在、各種の金利は金融市場における資金調達コストや市中金利をベースに決定されています。

 

具体的には、これまで説明させていただいたような「無担保コール翌日物」と呼ばれる金融機関同士が資金を1日で貸し借りする際の金利などを参考に各金融機関が、独自で設定しているものなのです。

 

 

f:id:hayatouri:20240904103547p:image

 

 

f:id:hayatouri:20240905065108j:image

「週間エコノミスト」より

 

日銀の金利はこの表のように16年位からマイナス金利で実際金利はありませんでした。

 

今回、これを0.25%まで引き上げると発表がなされていますが、このこと自体は、私たちには基本関係がないことです。

 

ただ、この政策金利が短期プライムレートとの基準になっていますから、これが動くことになります。

 

短期プライムレートは、2009年から1.475%に置かれていました。

 

この1.475%というのは、銀行が民間の優良企業、例えばトヨタ自動車などに1年以内に貸し出す金利がこの短期プライムレートになります。

 

ここで問題となるのが、この短期プライムレートが住宅を購入するときの借入金の金利の基準となっていることなのです。

 

3月の利上げ発表の時からでもこの短期プライムレートは変わりませんでした。

 

しかし、今回0.25%に引き上げるとなるとさすがに短期プライムレートも動く可能性があるのです。

 

銀行は今年の9月からこの短期プライムレートを引き上げる準備をしています。

 

つまり、ここが変わると、住宅ローンの変動金利が上がる現象が起こります。

 

皆さん、ご承知のように住宅ローンを組む場合、この短期プライムレートに合わせて金利が変動するパターンと、長期固定金利を選択することができます。

 

今までは短期プライムレートの変動が全くありませんでしたので、あたかも長期固定金利のごとく利用されていました。

 

その金利が上がってくるのです。

 

つづく