昨日の地元新聞に「串本のロケット夏ごろ目指す」との記事が出ていました。
串本町田原に民間小型ロケット発射場があります。
運営するのはスペースワン(東京)という会社です。
今年2月末ごろを目指していた初号機の発射時期を延期するとしました。
理由は、世界的な物流の混乱がコロナで起こり、当初予定していたロケットの部品等が届かないということらしいです。
地元の期待も高まっていただけに、少し拍子抜けするようなニュースになってしまいました。
さてロケットといえば、この名前は誰もが聞いたことがあると思います。
ジャクサという名前です。
JAXA(ジャクサ)は英文名称「Japan Aerospace Exploration Agency」の略称です。
日本語の正式名称は「宇宙航空研究開発機構」です。
2003年10月1日、H-IIAロケットなど大型ロケットや人工衛星、宇宙ステーションなどの開発を中心に行ってきた宇宙開発事業(NASDA)。
宇宙や惑星の研究を中心に行ってきた宇宙科学研究所(ISAS)。
次世代の航空宇宙技術の研究開発を中心に行ってきた航空宇宙技術研究所(NAL)。
の3機関が統合し、「宇宙航空研究開発機構」として新たに誕生しました。
実はここにも行政や奥深い各省庁の絡みがあるのです。
皆さんもご承知の通り、現在の文部科学省は、文部省と科学技術庁が合併したものです。
戦後、文部省は先の大戦の教訓と反省から、戦前の教育に区切りをつけ、学問の自由を前提にして学術行政を行うというのがもともとのスタンスでした。
どちらかと言えば進歩的だったともいえます。
一方、科学技術庁は全く違うスタンスでした。
科学技術庁の科学とは社会科学ではなく、自然科学を考える立場に立っています。
当初から国家目標があって、国家目標のために役に立つ研究にお金をつけるという発想でした。
科学行政をボトムアップの学問の自由から積み上げていく考え方の文部省。
このスタンスの違う2つの役所を同じ括りにしてしまったことはどうでしょうか?
良かったのかどうか、いつかきちんと検証される必要があると思います。
では、どうしてこのタイプの異なる2つの役所が統合されたのでしょうか?
これは、橋本龍太郎内閣で「とにかく似たようなことをやっている省庁は統合すべき」との方針が出されたからです。
ここで最初のJAXAの話に戻ります。
つづく