昨日の続きです。
「43兆円は砂糖の山」
「身の丈を超えている」
と香田さんは言います。
一体何が問題だというのでしょうか?
「身の丈を超えていると思えてなりません。
反撃能力(敵基地攻撃能力)の確保に向けた12式ミサイル(地対艦誘導弾)の改良。
マッハ5以上で飛ぶ極超音速ミサイルの開発・量産、次期戦闘機の開発。
サイバー部隊20,000人。
子供の思いつきかと疑うほどあれもこれもとなっています。
全部本当にできるのか、やって良いことなのか、その検討結果が見えず、国民への説明も不十分です。
絵に描いた餅にならないか心配です。」
12式ミサイルの発射装置
※衛星コンステレーション(えいせいコンステレーション、英語: Satellite constellation)とは、特定の方式に基づく多数個の人工衛星の一群・システムを指す。
個々の衛星はシステム設計された軌道に投入され、協調した動作を行わせ、システムの目的を果たす。
コンステレーション(constellation)とは星座(星の配置)のこと。
ウィキペディアより
香田さんの話は続きます。
「例えば12式ミサイルは、射程を200キロから1000キロに伸ばしますが、搭載燃料を5倍にしてエンジンを含めて再設計することが不可欠で、簡単にできるとは思いません。
米国製巡航、ミサイルのトマホークとの使い分けはどのようにするのでしょう?
極超音速ミサイルは米国が2兆円かけても配備計画に至らず、衛生コンステレーションは米国もやろうとしています。
防衛産業の基盤が厚く、同盟国である米国との共同開発・運用を、効率と効果の面から選択肢とするべきではないでしょうか。
サイバー部隊も人員確保に悩む自衛隊で、他の部隊の能力を維持したまま、20,000人も集められるのか疑問です。」
どうしてこんなことになっているのかについて香田さんは話します。
「自衛隊の積み上げではないからだと考えます。
私の経験では、新しい計画を作る場合、各自衛隊は5年程度の時間をかけます。
世界中の事例を見ながら、導入する商品や量を決め、各自衛隊の積み上げの結晶として何兆円という規模になるのです。
当時はGDP比1%の枠があり、ほとんど増えない中でもそうだったのです。
ところが今回は、いきなりGDP 比2%という数字があり、砂糖の山が現れたわけです。
当時の私だったら、いきなりそんなに増やせと言われても、新たな事業を短期間で出せなかったじゃないかと思う規模感です」
つづく