昨日の続きです。
手術に入る前に血圧測定をしましたが、人間正直なものです。
170を超える緊張脈になっていました。
さて、私自身は手術台の上で何が行われようとしているのか興味津々でした。
とにかく、顔にはラップ状のカバーがかけられ、それもかなり接着力の強いカバーです。
そして、布がかけられて、目の部分だけ開いている状態です。
早速、何種類かの液状の薬剤が目に流し込まれました。
角膜の乾燥を防ぐための生理食塩水または抗生物質、そして麻酔薬だと思われます。
目薬を入れるというレベルではなく、水道の水で目を洗うような大量の液体で「じゃぶじゃぶ」な感じですす。
「目が閉じないように固定しますね」
と言うやいなや、自分の感覚的には、洗濯バサミの逆パターンのようなものが上下のにセットされてしまいました。
まぶたを開け続けるための医療用器具です。
開瞼器と呼ぶそうですが、これがやけにぴったりとフィットするのです。
一応ネットで調べてみましたが、この形状であるかどうかは私にはわかりませんが、とりあえずこのような仕事をする器械です。
さて、もはやこの段階になると、何が行われているのか、自分ではわかりません。
ただし、事前に白内障手術のYouTubeなどを見て予習をしていましたので、大体の流れが頭に入っています。
まず麻酔をした後、角膜と白目の縁のあたりを2〜3ミリ切開します。
その後、その開口部から細い超音波器具を差し込んで水晶体を砕きます。
完全に砕いた後で、水晶体を吸引する細い器具を開口部から差し込み、砕けた水晶体を除去します。
内部をきれいにした後、巻かれた状態のレンズを開口部から挿入し、所定の位置にセットします。
全体の位置確認をし、基本的にこれで水晶体再建術は終わりです。
この流れを思い出しながら、自分の状態と照らしていきます。
完全に痛みは無いので、切開が行われた感覚は全くわかりませんでした。
しかし、水晶体を砕くために、細い器具を挿入する感覚と、その水晶体を吸引するための器具を挿入し、砕いた水晶体を集める作業をする感覚はなんとなくわかります。
頭の中の大きなイメージで表現すると、例えばフライパンを洗うとき、フライパンの縁の部分までゴシゴシとスポンジで洗っていくのですが、その円を描くような感じが感覚としてわかります。
「なんとなく縁の方までずっと掃除をしている」ような感覚です。
そして、手術中に何とも表現するのが難しい音を聞き取ることができます。
皆さんはテルミンと言う楽器をご存知でしょうか?
まさに、そのテルミンを演奏するかのような音が、手術場にかなり大きく響き渡ります。
しかもかなり高音な部分の音だと思っていただければ間違いありません。
「これ一体何の音だろうか?何やら自分の手術に関係しているのは間違いなさそうなのだが・・」
そんなこと思いながらも、頻繁に右目には薬剤がざーと流され、医師を始め、周りのスタッフたちは時々なんらかの数値を確認しながら、的確に手術を進めていくのでした。
つづく