昨日の続きです。
ブログ読者の方から「少し言葉使いが難しい」というお話もいただきましたので補足させていただきます。
法律的な言葉が出てきてますのでそちらのほうも解説したいと思います。
まず弁済という言葉です。
なぜ返済と言わないんでしょうか?
弁済と返済の意味の違いは、主に2つあるのです。
「弁済」と「返済」の違いは、まず「法律用語であるかどうか」です。
一般的に、借金の返済やローンの返済などでよく使われているのは「返済」になります。
一方で、「弁済」は法律にかかわる話の中で使われることが多く、たとえば不動産や損害賠償に関する話のなかでよくでてくる用語です。
次に返した金額(もの)が「一部」か「全部」かです。
「弁済」と「返済」の違いのもうひとつが、「借りたお金(もの)のうち一部を返したのか?全部を返したのか?」という点です。
返済:全部返さなくても、一部で「返済」といえる
弁済:一部では足りず、全部返すことで「弁済」といえる
このような違いがあります。
では供託とはそもそもどういう制度でしょうか?
例えば債務者が債権者に対してお金を支払おうとしています。
しかし債権者がお金の受領を拒絶している場合や債権者がお金を受領することができない場合もあります。
法務局にある供託所にお金を預けて、債権者にお金を支払ったことにする制度です(民法494条)。
例えば、貸主が一方的に賃貸借契約の終了を主張して賃料の支払いを拒絶している場合とか貸主が一方的に賃料の値上げを主張してこれまで通りの賃料の受領を拒絶したとします。
こような場合に、借主は、賃料を法務局にある供託所に供託することで賃料の未払いを免れることができる制度です。
つまり今回供託者である私は、この債務につき(当時)令和3年2月10日時点で
元金33.7500円
利息金7.5700円
および遅延損害金243.485 5円の合計 284.8055円(285円)を債務履行地である織田信長の住所地において弁済しようとしているのです。
(この金額については司法書士さんがきちんと現在の法律に基づいて計算をして根拠のある数字になっています)
つづく