昨日の続きです。
結婚しないで、子供を生み育てる!
こう聞くと、大体の皆さんは 「 彼女たちはシングルマザーなのかしら?」と思うのではないでしょうか。
子どもを持つカップルは結婚していることが大部分である日本の社会にいると、そのような疑問が出てくるのは当然だと思います。
しかし、フランスでは結婚以外のカップルのあり方が公的に認められています。
女性たちは結婚によらないパートナーとの間で子どもを生んでいるのです。
そして、そのようにして生まれた婚外子は、法的にも社会的にも全く差別されません。
フランスで結婚にこだわらない生き方が一 般的になったのは、1968 年の5月革命以降です。
※ 「5月革命」とは→1968年5月にパリの大学生が政府の教育政策に不満を爆発させて暴動を起こしたのをきっかけに起こったド=ゴール体制に対する、広範な労働者・市民の反対運動のことです。
ド=ゴール政権は実力で運動を抑えましたが、国民的支持を無くします。
翌年のドゴール大統領辞任につながり、ド=ゴール時代を終わらせる画期となったのです。
またこの1968年という年はベトナム反戦運動の盛り上がりと結びついた学生運動が世界的な広がりを見せていました。
第二次世界大戦後の経済発展至上主義の社会が大きな曲がり角に入ってきたことを思わせる動きのあった年でもありました。
話を元に戻します。
またフランスでは民事連帯契約(略称 PACS)という、結婚に準ずるカップルが法的に認められています。
また異性間だけではなく 同性間でも結婚が認められているのです。
1930年代フランスの家族政策は、少なくとも子どもが3人、「父親は“パンを稼ぐムシュー”、母親は“子どもの世話をするマダム”」という性別役割分業の家族モデルがありました。
社会手当として家庭にいる母親に対する特別手当も創設しました。
家庭にいる母親に対する特別手当は、後に単一手当に名称が変わりましたが、父親が働き手の家族モデルになっていました。
この点は、「家父長的」だと言われる日本の古いタイプの「家族モデル」と共通しているところです。
いわゆる「専業主婦」の誕生です。
もともとは、フランス国民もこういう考え方を持っていたわけです。
ところが前述の1968年の「5月革命」に見られる社会変革運動、さらに、1970年代初め女性解放運動が起こりました。
つづく