hayatouriの日記

はやとうり の独り言

今、話題の「入管法」を考える その4

 

前回の続きです。

 

2021年の入管法政府案では、どんなことが変えられようとしていたのでしょうか?
主に4つのポイントを見ていきたいと思います。



法案のポイント①》 難民申請中の強制送還を可能にする


法案では、難民認定申請により送還停止の対象とされるのは原則2回までとし、以降はその難民申請者の強制送還が可能になってしまう仕組みとなっていました。

 

つまり、何らかの事情を抱え3回以上難民申請をしている外国人が、迫害の恐れのある国に帰されてしまう可能性があるということです。

 

日本の難民認定の門は極めて狭く、2021年の難民認定者数は74人、難民認定率は0.7%と、1%を下回り続けてきました。

 

つまり、複数回申請せざるをえない状況が作り出されています。

 

ちなみに2010年~21年の間に難民認定された377人のうち、その7%にあたる25人が複数回申請の末に認定されています。

 

法案のポイント②》 国外退去命令に従わないと処罰の対象とする


在留資格を失ってもなお、「命の危険がある」「家族が日本にいる」「生活の基盤の全てが日本にある」など、帰れない事情を抱える人たちがいます。

 

そうした人々が国外退去の命令に従わない(従えない)場合、保護したり、在留資格を付与したりするのではなく、1年間の懲役または20万円以下の罰金の対象とする項目が法案には盛り込まれていました。

 

ただ、処罰の対象としたところで、「帰れない事情」が変わるわけではありません。

 

《法案のポイント③》 「仮放免制度」から「監理措置制度」に

 

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監理措置制度」は、民間人の「監理人」を入管が選定します。

 

その「監理人」が、収容から解放された「被監理者」を監督し、住居などの支援をする制度です。

 

長期収容の問題がこの制度で解決されるかのような声が一部で聞かれます。

 

では本当にこの「監理措置制度」で、「解放される人が増える」のでしょうか?

 

現行制度では、「仮放免」という形で収容を解く措置があります。

 

新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの被収容者が「仮放免」となったことで、そもそも不必要な収容が続いていたことが浮き彫りになりました。

 

ところがこの「監理措置制度」では、「監理人」がいない限りは収容から解放されないことになります。

 

その上この「監理措置制度」で解放されても、一部の人を除き、基本的に就労は許可されておらず、国民健康保険にも入れない状況は「仮放免」と変わりません。

 

それでも生活をつなぐために労働したことが発覚した場合、3年以下の懲役の対象にもなっていました。

 

つづく