前回の続きです。
神宮外苑再開発がずいぶんと前から闇の中で計画されていたことがわかってきましたね。
電通の企画提案書が作成される1年前、JEM・PFI共同機構というゼネコンなどが加盟する団体が提案した「東京都防災まちづくり計画事業提案書」がありました。
この計画は、神宮外苑を防災拠点とするという名目の開発であって、電通の「GAIEN PROJECT」はこの計画を発展させたものだと言われています。
しかし、これを作成したJEM・PFI共同機とは一体どういう組織なのでしょうか?
まったく聞きなれない名前の団体ですが、この団体の代表は、米田勝安氏(故人)といって、森喜朗会長の親友と言われていた人物です。
(ここでも、森元総理の名前が出てきます!)
米田氏は不動産フィクサーとして一部では名の知られた人物だそうです。
森氏とは早稲田大学雄弁会時代からの親友で、森氏の結婚式では司会を務めたこともあるほどの仲だったようです。
また、米田氏は名門神社の家系で、各神社に太いパイプをもっていました。
ルポライターの古川琢也氏が「ZAITEN」(財界展望新社)に発表した記事によれば、米田氏は江戸時代後期の国学者・平田篤胤を祀った平田神社の宗家6代目当主。
(この話も既にブログに登場していますね)
過去には※「山王パークタワー」の開発にからんで日枝神社の代理人とビル地権者と間に入って交渉をまとめたこともあると言います。
※かつて、東京を代表するホテルのひとつであった山王ホテルの跡地に建設された超高層ビルである。2000年(平成12年)1月に竣工し、2月に開業した。
外堀通り沿いにあり、赤坂側で日枝神社に、溜池側で道路を挟んで総理大臣官邸に隣接する。
ここまでくればもうご理解いただけると思います。
この神宮外苑再開発はもともと、明治神宮に太いパイプをもつ米田氏が立ちあげ、森元総理が米田氏の協力依頼を受けて電通やゼネコンを巻き込んで本格的なプロジェクトに発展させていったと考えるのが自然です。
JEM・PFI共同機構の構成幹事会社には、森元総理と関係が深い大成建設をはじめとする大手ゼネコンなども名を連ねていたといいます。
もちろん森元総理の狙いは、再開発にからむ建設利権です。
そして、その後の経緯を見ていると、東京五輪やラグビーW杯は、むしろこの再開発計画のために、ぶちあげたものであることがだんだん明らかになってきています。
事実、その後も、森元総理は一貫して国立競技場の改修および神宮外苑地区の再開発を訴えています。
たとえば前述した16年五輪招致にあたっては、森元総理が石原氏に対してこういったといいます。
「国立競技場や岸記念体育館の建て替えが、政治家の私が(日本体育協会の)会長になった意味。東京に五輪が来れば、全部できる」と話して東京への五輪招致を焚きつけたと報じられました。
つづく