昨日の続きです。
こんな話もあります。
日本オリンピック委員会(JOC)が国内候補地を東京に選びました。
JOC本部がある東京・渋谷区の岸記念体育館を高層化するというJOC側からの条件を東京都が呑んだ結果だとも言われています。
また、明治神宮の総代として神宮外苑再開発に関わっていると見られている石原慎太郎氏にしても、森氏と同じように再開発にからんで名前が上がる大手ゼネコンの鹿島建設との癒着が取り沙汰されています。
そういう点でも、森氏と石原氏は歩調を合わせたと考えられます。
現に05年10月16日にふたりが行った会談では「大がかりな再開発が不可欠」とふたり揃って指摘し、同28日には東京都による神宮外苑地区を含む1兆円規模の大開発構想案が新聞に載りました。
そこには、電通の企画書と同様に神宮球場のドーム化も明記されていました。
さらに、規制の壁を越えられず16年五輪招致のメイン会場が晴海案となっていた事は既にこのブログでも紹介しています。
森元首相はラグビーW杯日本開催だからという理由で「ラグビーワールドカップ2019日本大会成功議員連盟」として11年に国立競技場の8万人規模のスタジアムに改築と神宮外苑地区の再開発を決議させています。
12年2月には石原都知事も同じように競技場を8万人収容のスタジアムに全面建て替えする構想をぶち上げています。
そして、決定打となったのは同年4月に開かれた新国立競技場の有識者会議で飛び出した、「再開発等促進区」の提案でした。
この「再開発等促進区」というのは、それまでの高さ15メートルまでという制限を75メートルに引き上げるように提言するものだったのです。
この制度を提案したのは、東京都の都市整備局技監だった安井順一氏。
じつはこの安井氏は森氏との関係が取り沙汰されていた都議会のドン・内田茂都議とも親密であるといい、実際に〈都知事、副都知事に次ぐナンバー3の都技監に昇進〉している人物なのです。
さらには、この「再開発等促進区」の提案と同時期にあたる12年7月に発表されたJSCによる新国立競技場のデザインコンペ募集要項では、高さについて〈h=70m〉と記されていました。
まさに「語るに落ちる」とはまさにこのことです!
つまり、当時はまだ15メートルまでという規制があったにもかかわらず、それに違反する高さをJSCはすでに設定しているという驚くべき事態だったんです。
その後、13年に東京都は建物の高さ制限を75メートルから80メートルにまで緩和します。
15年には、前述のように、神宮外苑地区の本格的な再開発に踏み出したのです。
つづく