昨日の続きです。
長距離輸送や宅配事業の中でドライバー不足が深刻だと言われています。
どうしてなのでしょうか?少しまとめてみましょう。
ドライバー不足の背景には、従業員の年齢構成の変化が一因として挙げられます。
公益社団法人鉄道貨物協会の調査では、2028年のドライバー不足数は27.8万人にのぼるとも言われています。
ドライバー不足の原因について考えてみたいと思います。
①まず過酷な労働環境があります。
ドライバーは顧客のニーズに対応するが故に、長距離長時間運転や時間決め配達、再配達などの手間が増え、長時間労働を強いられるなど過酷な労働環境となっています。
また、人手が集まらない理由として、労働時間に対する賃金の低さが挙げられるのも事実です。
実際に行われた調査でも、ドライバーの賃金は全職種に比べて低く、労働時間も多いことが明らかになっています。
②少子高齢化
少子高齢化による、ドライバーの高齢化も原因の1つです。
2022年に総務省が行った労働力人口の調査によると、25〜34歳のいわゆる“働き盛り”と呼ばれる世代が1,151万人でした。
そして、55〜64歳が1,235万人、65歳以上が927万人という結果となり、中高年層が若年層を超える水準となっていることが分かりました。
このまま若年層が減り続けると、必然的にドライバー不足が加速することが懸念されます。
また、最近では車を持たない、そもそも免許を取得しない若者も増えており、ドライバーに憧れを抱く若者が少なくなっていることも理由として挙げられます。
③女性進出の遅れ
総務省が2021年に行った 労働力調査によると、日本国内における全産業の女性就業者の割合が44.7%です。
ところが道路貨物運送業は20.1%と半数以下の水準であることが分かりました。
運送業への女性進出が遅れている理由として、妊娠や出産に伴う制度や更衣室やトイレの配慮などの環境整備が不十分であることが挙げられます。
現場でのコミュニケーションスキルや思いやりのある運転、丁寧な荷物の運搬などは、もっと女性が活躍できる可能性を生かせる分野だともいえます。
運送業で女性が働きやすい職場環境を築くことも重要になります。
このように、運送業界におけるドライバー不足は「まったなし」の状態に置かれてしまっています。
それに加えて国土交通省が2022年に調査したデータによると、宅配個数は年々増加しており、2022年は初の5,000万個を超え過去最多となりました。
宅配需要に対してドライバーの数が追いついておらず、「荷物はあるのに配達者がいない」という実質的なドライバー不足が生じている現状なのです。
つづく