昨日の続きです。
アメリカが2020年にコロナ対策で強烈な財政拡大を行いました。
その結果、インフレ率が8%程度上昇することになりました。
これによって何が起こるでしょうか?
この発表について、マーケットはどのような判断をしたのでしょうか?
「いや、もしかしたら円高になるのでは」というものでした。
「それならば、今のうちにドルを売って円を買うのが儲かるのではないか」
という動きも出てきました。
このような背景があり、今度は逆にすぐに円高の動きが出てきました。
皆さん、ご存知の通り、為替レートには決まりがありません。
金利や経常収支、インフレ率、政治家の発言、政策の変更などが原因になって、為替レートは思わぬ動きをすることがあります。
例えば、2015年1月です。
スイスの中央銀行であるスイス国立銀行が、それまでスイスフランという通貨とユーロを固定為替相場制としていましたが、いきなりこれを止めてしまいました。
つまり、変動為替相場制に変更してしまったのです。
そうすると、なんと1日にスイスフランが30%も値上がりしたのです。
スイスフランを求める動きが活発になり、ユーロを売ってスイスフランを買う動きが爆発してしまったのです。
こんな事は、事前の予測は全く不可能でした。
投資家の中には、大被害を被る人たちもいました。
これは政策の変更によって為替レートが大変動した典型的な例でした。
話は戻り日銀の利上げ発表時、このタイミングでアメリカの失業統計が発表されました。
想定以上に、失業率が上がっていたのです。
市場の反応は「不景気だ!」というわけです。
そうすると、アメリカのFRBが定めた5%という金利は「金を借りてくれ」という感じで下がっていくだろうと、市場の予測が生まれます。
それで一気に円高が加速するという事態が生まれてしまいました。
しかし、話はこれでは終わりませんでした。
日本の株式の3割が外国人が保有しています。
7割が日本人もしくは日本の企業となっています。
ところが、株の売り買いの7割は、外国人もしくは外国企業が行っているのです。
取引しているのは外国人なのです。
日本の投資家などは、どちらかと言えば、取引をあまりせず、株を保持しているという傾向が強いのです。
このような背景を考える時、円高になると何が起こるのでしょうか?
つづく