hayatouriの日記

はやとうり の独り言

今は昔の電話のお話

近頃当たり前のように使われているインターネットとスマートフォン

 

ちなみにスマート (smart)

は、辞書では「利口な、賢い」が第一に出てきます。

 

1人が1台のスマホを持つなんてちょっと前まで考えられませんでしたね。

使用料は少々お高いので頭痛いですが。

 

若い人たちは電話のない時代なんて想像できないでしょうね。

 

実は私、その時代を知っている生き証人です!

 

少しその時代のお話をしますね。

 

私の実家のあった集落に電話は1台しかありませんでした。

 

その電話は区長さんの家にありました。

 

 

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そうそう!右側の1953年タイプです。

 

例えば山田さん宅への電話が区長さん宅にかかります。

 

区長さんは電柱に設置されたスピーカーで

 

「山田さ〜〜ん、山田さん、お電話がかかっていま〜〜す」

と区内放送します。

 

山が近いのでやまびこで響き渡って集落中に丸わかりです(笑)。

 

すると山田さんがダッシュで区長宅に駆け込んで電話に出るというような今では想像もできないアクロバチックな行為をしておりました。

 

それでも出てこない場合は、区長が連絡先の電話を聞いて山田さんが後からかけ直します。

電話番号がお互い直通しないので、一旦電話交換手さんを通じてつないでもらう形式でした。

電話交換手さんがお互いに相手を確認してからつないでくれるので、チートばかり待ち時間が長うございました。

 

時が経ち我が家にもついに!

あの!電話がやってきました。

 

 

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1962年型でした。

ここまでくれば記憶にある黒電話かも知れませんね。

 

しかしこの当時、家庭の電話はすぐには普及しませんでした。

 

というのも当時電話を引くためには、電電公社(NTTの前身)の電話債権を買わなければならず、それも当時の値段で相当高かったようです。

 

確か当時の値段で8万ぐらいじゃなかったかなぁ。

週刊少年漫画雑誌が50円位だった頃ですよ。

 

電話が来てもかけてみなきゃつながったかどうかわからない。

 

そこで前日に仕込みをしておきます。

 

「明日電話の工事やねん。終わったら午後3時にお宅へ電話かけてみるけどかまへん?」

 

一台の黒電話を囲み家族中が集まって固唾を飲んでダイヤルを見つめます。

 

そこは一家の大黒柱の親父の初仕事です!

 

ゴロゴロゴロとダイヤルを回し

呼び出し音がかすかに漏れ聞こえ

 

「もしもし・・・」

 

と相手方の声が受話器から聞こえたとき

 

家族中で顔を見合わせ思わずガッツポーズ!

 

歴史的な電話の第一声でした。

 

それがここまで進化したのですからたいしたものです。

 

ですが当然電話料金を滞納すれば電話は止められます。

 

電話が止められたとき急な連絡が必要な時はどうすれば良いか?

(いや、おそらく皆様はそういう経験はないでしょうが(笑))

 

1つの例がございます。

 

私の息子も東京でバイト暮らしで、生活がキューキューしていた時でした。

 

入院中の義母が亡くなりました。

 

急いで息子の携帯に電話をしました。

すると

 

「この電話はお客様の都合により・・・」と言う例の決まり文句💦

 

なんてよ〜〜電話料金滞納で止められとるがな!

 

当時のバンド仲間からも連絡を取ってもらったが一向にらちがあかず。

 

あ!この手があった!

 

それは電報!

 

「オバアチャン シボウ レンラクシテ」

 

電話も切られている位だから、連絡がつくかどうかもあてにならないと思いながら待っていると、なんと2時間後に息子から電話が入りました。

 

このスマホの時代に何と言うアナログ作戦!

 

しかし電報アナログ作戦恐るべしです。

 

まぁ皆様はこんなこともないと思いますが、万が一のために電報があるということもお忘れなく!