hayatouriの日記

はやとうり の独り言

「ガン」 「がん」 「癌」 を考える

 

 

いろんな皆様とお話しすると癌の話題が多いです。


やれ親戚がガンだ!


がん検診を受けてきた!


知人が若くして癌で亡くなった!


など

 

(ひらがな、カタカナ、漢字はそれぞれ使い方があるそうです)

 


そしてなんとも「癌」(がん)という陰湿で恐怖感のある響きの読み方。


ガン!


その読み方の発生についてちょっと調べてみました。

 


元々は嵒(がん)
 
嵒は岩山を意味します。
 
これに病だれがつくわけです。
 


悪性の腫瘍で、その組織が次第に増大して嵒のようになるところから、癌と呼ばれました。


「あいつはこの組織の癌」と言うように最も処理・解決の困難なことをたとえていう場合にも使われます。
 
例えば「病名彙解」にある
 
「乳岩は治し難き症なり」
 
や、日本で初めて全身麻酔乳がん摘出手術に成功したわが郷土の名医、華岡青洲の「乳巖治験録」のように、「乳巖」「乳岩」と記したのが一般的であったようです。
 
すでに日本では昔から使われている用語と発音なのですね。
 
 
かたや癌のことを英語でCancerと言います。
 
Cancerの意味は癌のほかに、大 きなカニ、かに座という意味があります。
 
これは私の辞書にもその通り載っています。
全く知りませんでした。

 

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ドイツ語では癌のことをKrebsといいます。
 
私が病院に就職した当時、医師を始め多くの職員は癌のことをcancerとは呼ばずKrebs(クレブス)と呼んでいました。
 
これもやはりカニという意味があります。
 
どうして、まったく異なる 「癌とカニ」が同じ言葉で表されているのでしょうか?
 
最初に癌をカニにたとえたのは、古代ギリシアの医師、ヒポクラテス( bc460頃〜bc375頃 )だと言われています。
 
ヒポクラテスについては以前にもブログで取り上げましたのでよろしければもう一度ご確認ください。
 
乳癌は体の表面から判る病気のためか、紀元前の古代ギリシアでは、すでに乳癌の外科的治療が行われていたそうです。
 
癌の部分を切り取ったあと、 そこをたいまつで焼くという、荒っぽいやり方をしていたようです。
 
当時の科学の最先端を走っていたヒポクラテスは、そうやって取った癌の塊をスライスして、そのスケッチを残していて、そこに「カニのような(カルキノス)」と いう記述をしています。
 
癌の部分が周りの組織に浸潤している様子が、手足を伸ばしたカニのように見えたのでしょう。
 
または進行した乳癌に侵された乳房がカニの甲羅のように見えたのでしょうか?
 
私も病院勤務時代に訪問看護に何度も同行したことがありますが、乳がん末期の患者さんの胸は本当に残念なことですが紅く崩れています。
 
とにかくヒポクラテスが最初に「癌とカニ」を関連させたことは事実のようです。
 
これが、ラテン語でひろくヨーロッパに伝わったため、英語でもドイツ語でも癌のことを、カニを意味する言葉で呼ぶようになったようです。
 


また表記の仕方で「がん」「ガン」「癌」にもそれぞれ使い方に深い意味があるようで、本格的な医学的説明もされています。

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詳しくはこちらをご覧ください。
 


できれば「ガン」という発音ではなくて、もっと柔らかい可愛らしい音であればよかったのになぁ。
 
実はある方とそんな話をつい最近したばかりです。