昨日の続きです。
中邑研究室では、以前からICTを活用した障害児の教育課題研究なども行ってきました。
※ICT(Information and Communication Technology)とは、情報処理および通信技術を総称する用語であり、日本語では情報通信技術などと訳されます。
このプロジェクトでは重度重複障害児・者とその保護者のコミュニケーションを支援する「LEARN in FOREST」や、18歳以降の進路先が限られてしまっている知的障害者の学びや働き方を支援する「LEARN with YUTAKA COLLEGE」なども行っていきます。
自治体や学校との「LEARN in Public Schools」もあります。
例えば広島県と東京・渋谷区では、ROCKETで行うプログラムに不登校の子どもが出席扱いで参加できる体制にしてきました。
そこでLEARNでも引き続き連携するといいます。
特別支援教育におけるICT活用「魔法のプロジェクト(ソフトバンクとの共同研究)」も継続します。
「僕らだけでなくいろんなオルタナティブな学びと学校が連携すれば、もっと学びは多様化していくと思います。
例えば数学が得意な子は、堂々と学校を休んで外で学べるようになる。
今議論が始まっているギフテッド教育もそれでよいのではないでしょうか」
こうしたプログラムをそろえ、LEARNのウェブサイトから、その子に合ったものを見つけて応募してもらいます。
本人の志願だけでなく親の推薦もOK にしました。
プログラムは今後も増えていく予定ですが「思想は1つです。
『学びは自由。時間や空間を超えて学べばいいし、普段生きている中で学ぼう』という方針です」と、中邑氏は話します。
もう1つの教育方針は、「目的なき学び」です。
放っておくことが重要だといいます。
「学校でやっているのは、答えを追い求める学びや評価を得る学びですが、そうやって目的を設定すると正しい答えが決まってしまいます。でも、目的なしにやると正しい答えがなく、たくさん答えが出てくる。
例えば先日、エミール・ガレなどのガラス作品が展示されている小樽芸術村 似鳥美術館で行ったプロジェクトでは、『虫を探しておいで』というミッションを出しました。
すると、作品に描かれた虫を見つけてくるだけでなく、技巧に魅了されて作品の作り方を考える子、照明のカッコよさに着目する子も出てきました。
つづく