昨日の続きです。
ではサ高住の職員常駐なしの条件の厳格化とはどのようなものなのでしょうか。
元々改正高齢者住まい法に基づくサ高住では、介護福祉士や看護師などの常駐が義務付けられていました。
ただ、夜間帯(午後5時から翌日の午前9時など)は、全ての部屋に緊急通報装置を設置することなどを条件に、介護福祉士や看護師等の職員の常駐なしでも可能であると省令で認めました。
深刻な職員不足に対応するためです。
その後今年9月には以下の通り改められたのです。
①緊急通報装置の全戸設置
② 1日1回の訪問や電話
③入居者の心身に異常がなく、同意を得ている
という条件であれば「日中でも介護福祉士や看護師など常駐職員がいなくてもよい」ことが認められました。
つまり、全戸(全室)に緊急通報装置を設置し、事業者が「入居者の介護状態を勘案して支障がない」と判断して入居者の同意を得れば、日中も職員を常駐させる必要がなかったのです。
その場合、事業者は1日に1度、訪問や電話、見守りセンサーなどで入居者の状況を把握しなくてはならないとの決まりはありましたが。
どうですか?
日中でも介護福祉士や看護師など常駐職員がいなのです!
自分の家族がそこに入居していたとしたら少し不安になりませんか?
私の知る限りのこの地域のサ高住ではこのような事は行われていません。
しかし大阪環状線などを走った時に、環状線のすぐ横の細長い高いビルなどにもサ高住の看板がかけられているのを見かけます。
都市部のビルの中に設置されているサ高住の中には「昼間でも常駐職員がいない」施設が実在しているのです。
これらの点を改善させるべく厳格化されたものは
①要支援要介護の人が入居している場合は緩和の対象外
②指導監督する自治体の承認が必要
との項目が追加されました。
国交省が9月に施行した省令の問題点が早くもあぶり出された形となりました。
もちろん優先すべきは利用者の生命と安全です。
国交省や国は9月に省令を出した時、このような問題が起こることをわかっていたはずです。
関係者の指摘通りの結果になってしまったのです。
医療や介護は実に個別的で多様な形態の支援が求められます。
手厚くシステムを作った団体にはそれなりにきちんとした補助や支援が国や地方自治体から届けられることを切に願います。
拙速な提案はやめて、現場や地方の意見をよく組み上げて取り組みを進めてほしいと思います。