昨日の続きです。
もともと地球上にはトリチウムが存在しています。
しかし、それは宇宙線という宇宙に飛び交っている放射線から地球に生み出されてきたものてでした。
それを遥かに超える膨大なトリチウムを地球上にばらまいたのは、大気圏内核実験と言う核兵器の開発だったのです。
それから、およそ50年から60年が経過しました。
現在、その時排出されたトリチウムはほぼ100分の1程度になっていると考えられており、もともと自然にあったトリチウムとほとんど同じ位に減っていたのです。
ところが今回、福島の汚染水を海に流すことが始まりました。
セシウム137 はγ線をたくさん出しますが、トリチウムはβ線のみです。
エネルギーでは約6キロエレクトロンボルトしか出さないようです。
トリチウムのβ線のエネルギーはセシウム137のγ線のエネルギーよりはるかに弱いので「安全である」と国や東京電力は言っています。
しかし、これはそう簡単な問題ではありません。
人間のDNAに影響与える可能性があるのです。
この際、DNAそのものの説明は省略させていただきますが、日本人1億2000万人、世界の全ての人々が一人一人違うのは全てこのDNAのなせる技です。
つまり、各人が持っている遺伝情報が独自のものだからです。
その遺伝情報が書かれているものがDNAなのです。
構造的に見ると水素・炭素・酸素などがお互いに手をつなぎあっています。
どんなふうに手をつなぎ合うのかで遺伝情報の全てが決定します。
DNAの構成物質がお互いに手をつなぎ合うときのエネルギーはわずか数エレクトロンボルトという単位です。
これまで出てきたトリチウムは6キロエレクトロンボルトでしたね。
この6キロのキロは1000倍という意味です。
もうお分かりかと思います。
人間のDNAを構成しているエネルギーに比べると、トリチウムの放射線エネルギーは1000倍にもなるのです。
そんなものが万一人間に取り込まれれば、DNAがズタズタに分断されてしまうことになります。
セシウムのγ線に比べれば、はるかに安全だという理論は既に崩壊しているのに、国や東京電力は、この事実を隠していると言わざるを得ません。
おまけにトリチウムは水素の性格を持っていますので、どんな所にも入り込む可能性があります。
DNAの中にも簡単に入り込むことができます。
基本的には、トリチウムは「水」という形で存在していますが、それがDNAに取り込まれた場合、DNAを直接攻撃するようになります。
またトリチウムは放射線を出すと、ヘリウムに変化しますが、ヘリウムは他のどんな物質とも手を繋がない性質があります。
このようにDNA内で変化した場合は、手をつなぎませんから、DNAの切断ということが簡単に起こります。
トリチウムだから大丈夫というプロパガンダが国と東京電力丸抱えで行われています。
しかし、研究者等からは大きな疑問の声が上がっています。
海洋放出はやってはいけないことに手を染めてしまったと言わざるを得ません。
今ならまだ他の手段に切り替えることも可能です。
私たちも未来の地球のためにこの問題をよく考える必要があるかと思います。
つづく