昨日の続きです。
さて、ここで原点に戻ります。
そもそも、トリチウムを含んだ水は果たして安全なのかという問題です。
トリチウムとは、酸素の周りに水素とトリチウムがくっついた状態でいます。
科学的には「水」だと位置づけられています。
ですから、汚染水の中から水をどんなにきれいにしようとしても、放射能を取り除こうとしても、トリチウム水そのものは、まさに「水」そのものですので、決して除去できないものになっています。
何をやってももうダメだと言う段階のものが、トリチウム水なのです。
ただし同位体分離技術というのを使えば、トリチウム水を普通の水素と分けて分離することができると言われています。
しかし、これには莫大なエネルギーと費用と時間を要するため、現実的ではないという考えです。
既に130万トンも溜まっている福島の汚染水に対して同位体濃縮技術を提供することは実質的には不可能です。
このトリチウム水には打つ手がないというのが現在の状況です。
ですから、国や東京電力は海洋放出という形を正当化しているわけです。
では、何ができるかと多くの学者が研究をしています。
確認しておかなければなりませんが、人間には、放射能を消す技術は今のところありません。
放射能を消す技術は無いのです!
また、残念なことに自然にもこの力はありません。
あれば既に世界各地で起こった放射線による汚染で既に使われているはずです。
そうであれば、残念ながらそれぞれの放射能が持っている寿命を利用するしかありません。
この寿命を考えて、なるべく長い間閉じ込め続けるしか方法がないのです。
その間に、自ら放射能の力を減らしていくのを待つしかないというのが現実があるのです。
被爆は必ず実害を伴い、安全な被曝ありません。
ですから、人間にできることがもうないから、海に流してしまえばよいという考えは、最初から間違っていると言わざるを得ません。
福島原発に溜まった汚染水を海に流さなくても良い現実的で容易方法はたくさんあると言われています。
1・大型タンクの設置
2・モルタルで固めてしまう
3・地下への圧入
4・海の深層に注入する
など様々な研究成果が寄せられています。
特にモルタル固化は今アメリカでもおこなわれていますし、大型タンクは原油備蓄などですでに実績のあるものです。
このようなことをやって、生命環境にトリチウムが出てくるまでの時間をとにかく稼ぐことが大事なのです。
地球は水の惑星だと言われていますが、その水を放射能で汚染する事は、究極の環境汚染だと言わざるを得ません。
つづく