昨日ショッキングなニュースが発表されました。
国立大生の自殺が2020年度、過去6年間の調査で最多となったそうです。
非常に悲しい記録です。
自殺率では学生10万人あたり17.6人(男性21.2人 女性11.3人)と過去6年間最多となりました。
調査と分析にあたった茨城大学保健管理センターの布施泰子所長らは
「2020年は日本全体の自殺率が12年ぶりに増加に転じたが、大学生についても同様の傾向が見られる。友人等との対面の交流機会の減少、リモート形式の授業、経済的な厳しい状況等によって、大学生たちは強い不安感を抱えている」
ことが増加の背景にあるのではないかと述べています。
高校時代の受験生活を乗り越えて、いよいよこれからと言う時です。
コロナ禍でなくともこの年代は非常に多感で思い悩むことも日常です。
それがゼミやサークルの友人達と交流することによって悩みの解決につながることも多いのですが・・・
実は私も大学時代1人の身近な知人を失っています。
そしてまた別の友人も自殺をほのめかしながら失望の縁で突然大学からいなくなりました。
大学関係者と一緒に行く先々を追いかけました。
無事戻ってきたときにはみんなで抱き合って泣いた思い出があります。
皆さんも経験があるかもしれません。
以前は大学のゼミの仲間やサークル仲間が久しく登校しなかったり、目に見えて元気がなくなった時、先輩や友人がアパートを訪問したり、様子を見に行ったりしたものです。
当時は携帯・スマホなんてありませんからチャリンコに乗って玄関ドアをノックするという旧式な「家庭訪問」です。
時によっては何時間も話を聞いたり、相談を受けたりすることもありました。
そんな中で大学を卒業しても生涯の友人といえるような仲間もできたのです。
でもここ1 〜2年大学生は集まることさえできません。
都市部の学生マンションで孤独感を深めている可能性もあります。
ネットの反応などを見ていると、
「これこそが私の求めている環境だ」
「従来の壁を打ち破る新しい時代が来た」
などと歓迎する大学生の声もあります。
ネット環境さえ有ればなんでもできる!と・・・
しかしそういう人ばかりでは無いのです。
人としてのコミニケーションの形が少しいびつな形になっているのは事実だと思います。
最近は各大学での保健センター活動も活発になり、自殺防止に向けた相談も積極的に受け付けるようになっています。
なぜなら、途中退学の学生が多い大学や自殺者が多い大学は、学生に対する「対応不足」と受け取られます。
それはその大学の社会的評価が下がることなのです。
学生から選べばれない大学ではもはや経営していくことができないでしょう。
そういう意味も含めての学生フォロー体制強化です。
もし今大学に通っている学生さんの親御さん、または知人の方がいらっしゃいましたら是非気配りをお願いします。
そして、少しでも気がかりがあれば一声かけてあげてください。
大学生とはいえまだまだ10代の時期でもあります。
信頼はしながらもフォローが必要です。
ときには大学の保健センターや医療機関等の助言を得ることも必要だと思います。
このコロナ禍を無事乗り越えて、大学生たちに明るい未来が開けることを願わずにはいられません。