選挙投票日の夕方、テレビで「分身ロボットカフェ」の取材をしていました。
これまでホテルなどでロボットが受付をしたり接客をするところはありました。
ところがこのカフェは全く違うのです。
このロボットたちは実は遠隔操作で人の手によって操られています。
遠隔操作する人たちをパイロットと呼んでいます。
筋萎縮性側索硬化症などの難病を煩っていたり、重い障がいがあったり、家庭の事情等で外出できない人が、自宅から分身ロボットを遠隔操作して接客しています。
1度は働くことを諦めた人たちがその操作をしながら社会とつながっています。
テレビではコーヒーのバリスタの資格を持った女性が難病になり働くことを諦めましたが、このカフェを知り遠隔操作でロボットを操縦し見事にバリスタとしてコーヒーを淹れていました。
「分身ロボットカフェDAWN ver.β」は東京日本橋。最寄り駅はJR「新日本橋」、地下鉄「小伝馬町」「三越前」など。一般の来店は6月22日からオープンしています。
テーブルに1台「OriHime」との会話
各テーブルには1台ずつ小型の分身ロボット「OriHime」が設置されています。
「OriHime」の向こうにはパイロットの方達がいて、テーブルについたお客さんと遠隔から会話して楽しみます。
外出困難な人達が「OriHime」を使うことで働くことができます。
もちろん遠隔操作ですから全国各地からパイロットとして参加しています。
「お客様、ご注文は何にしますか?」という「OriHime」からの会話で始まり、お客さんも「どこからアクセスしているんですか?」ととても楽しそうに会話していました。
飲み物を注文すると「OriHime-D」がお盆に飲み物を載せて、運んできてくれます。
この時も「OriHime-D」パイロットと会話することができます。
肩に乗る「OriHime」と左下の「OriHime」が掛け合い。大きなロボット「NEXTAGE」がバリスタの指示でコーヒーを淹れてくれます。
私にはこういう発想は全くありませんでした。
ロボットを通じて人のために働く喜びを難病や重度障害を持った方々が感じてくれています。
このシステムとロボット開発を進めた方は「やがて介護や福祉にも役立つようなことができるのではないか」と話しておられます。
ロボットの後に人の姿が見えるようでなんだか安心しました。