先日大相撲が終わって、大関御岳海が誕生しました。
コロナの流行で大相撲の観戦の仕方もずいぶん変わってきましたね。
勝敗ももちろんなんですが、私がいつも気になっていることが一つありました。
相撲の幕内の取組に懸けられる懸賞金です。
コロナ禍で懸賞を懸ける企業が減っていますが、横綱、大関や人気力士にはやはり懸賞が集まります。
あの袋には一体いくら入っているのだろう???
コロナ禍では懸賞旗を持つ呼出しは間隔を少し空けて土俵を回っています。
少し調べたところ、懸賞は1本6万2千円だそうです。
日本相撲協会が事務経費として5千300円を取り、力士の所得税にあてるため預かる金が2万6千700円です。
力士が実際に受け取る金は、懸賞1本につき3万円です。
時々勝った力士が両手で落とさない様に土俵を降りていることがありますから、そんな時はまぁ相当な金額でしょう。
懸賞は昭和24年の1月から始まり、当時55本だった懸賞が、昭和35年1月には約10倍の532本まで増えました。令和元年夏場所の懸賞は1939本と2000本に迫りました。
しかしコロナ禍で懸賞の本数は減って、令和3年の春場所の懸賞は1366本と令和元年夏場所に比べると573本少なくなりました。
そして例の「懸賞旗」ですがサイズが決まっておりまして横 70cm × 縦 120cmとなっております。
これはさすがに懸賞を出す側が自己負担でつくらないとダメなようです。
懸賞を出しますと、その日の大相撲会場入場者全員に配られる取組表に「提供者名(社名等を織り込んだ原稿)」が印刷され、取組直前には場内放送で読み上げがあります。
ちなみに、懸賞の歴史は古くなんと平安時代の相撲節(すまいのせち)という天皇が宮中で行った儀式にまで遡ります。
この相撲節の勝者には麻や絹などの織物や衣類、またはお米などが贈られました。
これが江戸時代になると贔屓の力士が勝った時に祝儀を渡すことが盛んに行われるようになりました。
この祝儀のことを纒頭(はな)と呼びました。
この漢字は「纒(まとう)」と「頭」となっていますが、これはその昔、歌舞伎や演芸などの役者にご褒美として着物などが与えられた時、それを頭からかぶったり頭に乗せたりして喜んだというのがその意味のようです。
(オリンピックなどで勝者が国旗を掲げたり、かぶったりしているシーンをよく見ますが、まあそんなものでしょう)
明治末期の頃には渡し方が乱暴(?)になり、贔屓の力士に軍配があがると「投げ纒頭」といって土俵に向かって自分の帽子や羽織などを投げ込まれるようになりました。
力士はこれを拾い支度部屋に持ち帰ります。
その投げ込んだ観客は支度部屋へ行き、自分が投げ込んだ物と交換にお金などを渡したそうです。
大相撲は1度はぜひ現場で見てみたいものです。
「通な人」たちによれば、この懸賞旗の行列を見るのも大相撲の醍醐味の一つのようです。
とにかく、このコロナ禍です。
力士の皆さんは体に気を付けて頑張って頂きたいと思いますね。