前回からのつづき・・・
そんな日本家電企業の代表格である三洋と東芝は、今や中国企業になっています。
三洋は、松下電器(現・パナソニック)を設立した松下幸之助氏の義弟である井植歳男氏により1947年に設立されました。
業績不振が続き、2011年にはパナソニック(今のところ日本企業)に買収されました。
三洋の白物家電事業を務めていた三洋アクアは、パナソニックの事業と重複するため「売り」に出されることとなりました。
そして、中国のHaier(海爾集団)が約100億円で買収したといいます。
一方の東芝は、1893年に設立された芝浦製作所と、1899年に設立された東京電気の流れを受け継いでいます。
1939年に設立された日本の老舗企業です。
しかし、21世紀に入ってから業績不振で赤字経営が続き、遂に2016年には、東芝の家電部門である東芝ライフスタイルが、537億円で中国のMidea(美的集団)の傘下となりました。
どうですか?これらの企業の買収費用は安すぎると感じませんか。
まさに二束三文なのです。
同様にしてオーディオ関連も、パイオニアや赤井などの有名ブランドが、衣料品ではレナウンが、それぞれ買収されました。
レナウンはその後中国の親会社との関係が悪化して2020年5月に経営破綻しています。
私たちにしてみれば、企業が買収されるということにどういう意味があるのか、わかりにくいところもあります。
しかし要するに、東芝や三洋、パイオニアが、今や日本企業ではなく、中国企業になってしまったのは事実なのです。
その結果、どういうことが起こるでしょうか。
まず第一に、その企業の製品を買えば、かつては基本的に売上金が全て日本に戻ってきていました。
今やもう、その売上金の多く(場合によってはその大半)が、中国に流出していくことになってしまいます。
これらの企業のように会社全体を買われる事はなくても、中国の法人が大株主になっている企業はいくつもあります。
日本経済の立て直し方について、私なりに考えるとやはり内需拡大がないと景気は良くなりません。
企業の海外進出の大きな理由が、国内の需要の低下にあるからです。
今のままでは企業も儲かりませんし、私たちの給料も上がりません。
つまりデフレ脱却が焦眉の課題だといえます。
政治はそこをどのように押し上げるのでしょうか、注目です。