つい最近までコンビニでは賞味期限直前の値引きはありませんでした。
店主さん達は「値引きをしても売りたい」と思っていたようですが本部はそれを許さなかったようです。
ところが最近では何割引というシールが貼られていたりします。
いろんなスーパーでも所狭しと商品が並んでいますが、売れ残りはどうするのだろうと思ってしまいます。
この前の東京オリンピックでも、ボランティア用のお弁当が手もつけられないまま廃棄されていく映像は衝撃でしたね。
食品ロス問題ジャーナリストで井出留美さんという方がいらっしゃいます。
日本や世界から食品ロスをなくそうと活動しておられます。
今回は井出さんの著書などを参考に調べてみたいと思います。
では一体どれぐらいの食品ロスがあるのか?
全世界の食料の3分の1の約13億トンが毎年捨てられています。
今でも毎日食料に苦労している国は世界中にはたくさんあります。
この廃棄量をどう考えればいいのでしょうか。
日本での廃棄量は612万トンですが、これは東京都民1,400万人が1年間に食べる量と同じくらいの量になるそうです。
日本で発生している食品ロスの約半分がコンビニやスーパー、レストランなどの事業系から、残り半分が家庭から出ていると言われています。
事業系から出る食品ロスの大きな原因となっているのが商慣習です。
業界内のルールで、その1つが「欠品ペナルティ」です。
小売店から注文を受けた分を納品できなくなった場合に、食品メーカーが支払うペナルティのことです。
「小売店」といっても街の小さな商店じゃないですよ。
予想より売れてしまったり、生産が間に合わなかったりといった何らかの理由により、メーカーがお店に納品できないと、売れるはずの売り上げが出なくなります。
その分をお金で補償してください、というルールです。
メーカーは小売店からの取引停止を極端に恐れています。
例えば、大手コンビニ側から見たら、ジュースひとつとっても色々なメーカーがあるので、1つのメーカーと取引しなくなってもさほど影響は受けません。
選べる立場にある小売店の方が強いという業界内の力関係があります。
他にも「3分の1ルール」というものがあります。
たとえば、ある食品の賞味期限が6ヶ月だとします。
最初の2ヶ月(3分の1)の間に、メーカーは小売店に納品しないといけません。
遅れてしまうと、コンビニやスーパーに納品できなくなるのです。
納品後、小売店側も、6ヶ月の賞味期間ギリギリまで売るということはしません。
4ヶ月目(3分の2)で販売期限が切れるので、棚から撤去してしまいます。
食べられるのに売れない状況が起こってしまうのです。
2012年から、国と食品業界は、食品ロスを減らすために、このルールを緩和してきています。
それでも、2020年7月現在、3分の1よりもっと短くて厳しい「5分の1」「6分の1」という納品期限を課す小売がいることが確認できています。
つづく