私は魚が大好きでよく食べます。
寿司ネタで例えれば「ひかりもの」は特に好きです。
中でも鯖は大好きで、シメサバでちょっと一杯はたまりませんね。
ガチガチに酢を効かせたものではなく、表面は酢が入っていますが中身がほんのり赤く柔らかなものが好みです。
しかしここで注意しなければいけないことがあります。
カツオなど3枚におろすと、内臓部分に米粒のような寄生虫がよくありますが、これはテンタクラリアといって食べても人間には無害です。
カツオの身の中のテンタクラリア
より厄介なのがアニサキスなのです。
なかなか肉眼では発見しにくい2〜3センチほどの細長い糸のような寄生虫です。
こいつが丸まって魚肉の間に挟まっています。
アジ、サバ、さんま、カツオ、鮭、イワシ、イカなどに寄生しています。
経験的にはスルメイカに多いような気がします。
誤って体内に入れてしまうと、虫体が胃や腸の壁を突き破ろうとして潜り込み、強い炎症を起こして激しい痛みが現れます。
この病気を「アニサキス症」と呼びます。
生の魚が好まれる日本では年間7000件以上と非常に多いのです。
毎日多くの人が、全国各地で強い腹痛によって病院に搬送され、緊急内視鏡検査で虫体を除去する治療を受けています。
私も病院の医事課勤務の時に、夜間当直をしていると何度かこのアニサキス症で体をくの字に曲げて、痛みを訴えながら受診に来る患者さんを見たことがあります。
アニサキス症はほとんどが胃に起こりますが小腸に起こることもあります。
小腸に起こったものは「腸アニサキス症」と呼ばれます。
胃アニサキス症は食後数時間で起こりますが、腸アニサキス症は発症まで数十時間から数日かかることがあります。
食物が腸まで到達する時間がかかるのでこのような時間の差が起こります。
強い腹痛が特徴ですが吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
また5%と頻度は低いですが蕁麻疹や呼吸困難などのアレルギー症状が起こったり熱が出るなど全身症状を起こすこともあります。
つづく