昨日からの続きです。
たとえば、感染症の患者さんを、院内感染を防止するために差額ベッド室に入院させた場合などは、差額ベッド代を請求できません。
まずは、上記3つの「差額ベッド代が不要なケース」に該当していないか、確認することが重要です。
コロナ禍の中で「差額ベッド代を請求された」と相談窓口に駆け込んでくる件数もずいぶん増えているようです。
よく注意する必要があります。
差額ベッド代を負担したくないなら、入院する前に差額ベッド代がかからない部屋を希望していることを伝えましょう。
そして差額ベッド室利用の同意書にサインをしない、というのが基本です。
ただ悩ましいのは、急に入院が必要な状況での「差額ベッド室しか空きがない」という場合です。
急を要しない治療であれば、差額ベッド代がかからない部屋が空くのを待つ、あるいは差額ベッド室がかからないほかの病院に入院する、という方法もあります。
また、病院によっては、事情を話せば差額ベッド代がかからないように、あるいはできるだけ少額ですむように配慮してくれるところもあるようです。
とはいえ、痛い、苦しい、命の危険があるかもしれないと焦っているときは、「とにかく何とかしてほしい」と思うものです。
また病院スタッフとの関係が悪くなるのは避けたいのも事実です。
すぐに入院治療が必要だったり、その病院で治療を受けたいと思っていたりする場合は、経済的に差額ベッド代の負担が厳しいことや、差額ベッド代がかからない部屋が空いたらすぐに移動したいことを病院側に伝えましょう。
そのうえで差額ベッド室への入院に同意するというのも一つの方法です。
差額ベッド代をゼロにはできなくてもできるだけ少なくするほうが、現実的な解決策と言えるかもしれません。
また、ほとんどの病院には、入退院連携室や地域連携室などの名称で、相談員がいる窓口があります。
そこには入院前、入院中、退院後に心配なことや、わからないことなどを相談できます。
支払いに関することも、一括での支払いが難しい場合などは分割払いなどを提案してくれることもあります。
ほかにも骨折での入院時には、コルセットなどの治療用装具の制作が必要となることが多いです。
こうした治療用装具については、費用を一旦、全額自費で支払わった後、申請をすることで、保険給付分(7~9割)の払い戻しを受けられる制度があります。
申請は2年以内に、自治体の窓口へ行います。
医師の意見書や領収書などの必要な書類を用意し、手続きをすれば大丈夫です。